2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

口癖

やっぱりなあと言う感想だ。もう何年も前から言われていることだが、やはりコレステロール値の基準が低すぎたようだ。富山大学の浜崎教授の17万人にも及ぶ追跡調査で、コレステロール値が高いほど死亡の危険率が下がるというのだ。例の悪玉コレステロール…

電友

この数年、僕が一番会いたかった女性に今日会えた。四国にお子さんを連れて里帰りする途中岡山駅で1時間あまり話をすることが出来た。今カルテを拡げてみると、この春で6年目の付き合いになる。過敏性腸症候群が治り安くもあり、治り難くもありって事を体…

小豆

山の上のパン屋さんで買う、小豆入りの食パンが美味しい。所々に小豆が散らばっていて、そこに舌が当たると甘みが増し、得したような気になる。所々というのがきっとみそで、それが小豆だらけでは甘過ぎてすぐに飽きてしまうだろう。何でも滅多手に入らない…

ベース

クラリネットもトランペットも、サクソフォーンも主役だ。旋律を奏でる華だ。耳はいつもそれらの音を追いかけている。逆にベースは本来的には引き立て役だ。リズムをお腹に響かせる。ベースソロ以外はベースを耳で追いかけることはないが、それがない音楽は…

泳げないネズミ

加害者も被害者も可哀相だ。法律で裁いて抹消してしまえばいいと短絡的には結論づけられない背景が伺われる。たった1日、自由を奪われるだけでも耐え難いのに、何十年もの監獄の中での暮らしの苦痛を想像できないはずがない。一時の逆上の代償としては大き…

江戸時代

アメリカの食品医薬品局が最近言い出したことで、風邪の治療が大きく変わることになるかもしれない。 熱はウイルスや細菌に対する闘争反応だから、薬で無理矢理下げるのは良くない。咳は異物を排泄する反応だからやたらに止めるべきでないと言うのだ。恐らく…

副作用

東京の有名中学(と言っても田舎に住んでいては初耳なのだが)に入った姉の孫がやってきた。どうも初めて会うらしい。その様な気がしなかったのは、やはり義理の兄や甥に似ていたからなのだろうか。恐らく僕の大学受験などよりよく勉強しただろうその子がど…

流木

2日連続で恋についての相談を受けた。この年になると相手にとっては無防備らしくて相談しやすいのだろう。結構、健康以外の相談もあるのだが、この分野の答えは相手が望む答えになるのかどうか疑わしい。健康面で期待した答えをもらえるから、この分野でも…

運転席

運転席で、柔らかい言語の往来を聴いているとなんだか眠りを誘われるようだった。日本人の方に、お嬢さん達ですかと尋ねられたくらいだから、彼女ら3人が日本人的な顔つきなのだろうか。又あるフィリピンの女性からはタガログ語で話しかけられたから、フィ…

歩き人

ずいぶん立派なお母さんになったと思う。まだ独身だった頃、ある病気の相談にやってきて、ずっと泣き続けた女性だ。その時のことをよく覚えている。お子さんが5才になったと言うから、もう10年近くなる。お産の前後はほとんどこなかったが、最近又しばし…

劇場

元々、耳は良くない。何を食べても美味しいように、何を聴いても良い音に聞こえる。もう何十年も、BGMを流して仕事をしているが、流している曲のジャンルによって多々不満は聞こえるが、音質に対してはクレームを聴いたことはない。買い物に来ている間だ…

反対運動

この高さ、この幅。この田舎町にはこのくらい大きな建物はない。もうすぐ完成予定のリゾートホテルが、我が家の犬の散歩コースにできあがりつつある。滅多に散歩に連れて行かないから、傍を通るたびに大きくなる。最初はなんだこのくらいと思っていたが、今…

理由

大したものだ。偉くなると理由などいらないらしい。人を苦しめても殺しても、理由なんかいらないらしい。とってつけたような理由でも構わないのだ。裁かれないから、理由はいらないのだ。言いがかりで人を責めても自分は責められないのだ。ところが、そんな…

振動音

喪失の深い沈黙の中を、低音で振動音が鳴る。音を消して礼をわきまえているのだろうが、息づかいさえはばかれる亡骸の前では、人工の音は消されない。よりによって、こんな時に、こんな場所で、緊急の用事があるのだろうかと不思議に思う。立て続けに3人の…

夜の運動場

月も出ていないし、外灯と言ったら広い運動場に2カ所しかない。近寄ればさすがにその下だけは何とかまだ明るいが、ちょっと離れれば、かすんで外灯があることしか分からないくらいの頼りなさだ。外灯が目的を果たしているとはとても見えない。そこにあるこ…

悲鳴

たまにすれ違う人の服装が、いっぺんに軽く華やかになったように感じた。気温の上昇は人々を戸外に誘うが、嘗て繁栄していた小都市の商店街は、休日の稼ぎ時でも多くの店がシャッターを下ろしていて、営業している店も人影はない。幼い頃はその街へ行くこと…

オタク

僕は利用したこともないし見たこともないから特別な感慨はないのだが、寝台急行「銀河」など3つのブルートレインが今日で廃止されたらしい。大勢のファンが見送ったり、迎えたりしているのがニュースの映像で流れていた。どこの局の映像だったか分からない…

人柄

いつもは伏し目がちに必要なことだけをしゃべって帰るだけの人だったが、今日は違った。丁度薬を渡しているときに、ニュースがラジオから流れて、ある悲惨な事件を伝えていた。どちらから言うわけでなく、とんでもない時代ですねと言うことになった。寧ろ戦…

万能薬

これはアメリカの話だが、アメリカで起こって日本で起こらないなどはあり得ない。 全米の24の大都市圏で少なくとも4100万人が利用する水道水から、抗生物質や精神安定剤などの医薬品が検出されたらしい。勿論、検出量は微量だから「健康への影響はほと…

豊か

「一生懸命勉強して、国の為に役立ちたいです」と微笑む姿に、力みはない。彼女にとって当然のことなのだろう。僕の住む国では滅多に聞かれない言葉だ。彼女の「国」と僕の「国」は違うのだろうか。国は、具体性を持って語れないし、見えるものでもない。蜃…

変身

一瞬顔をのぞき込んで確認した。それでもなおがてんがいかなかった。1ヶ月前に薬を取りに来たその子は、今日同じ名前を言って薬を取りに来た子とは違う。姉妹かなと思ったがそうではなかった。やはり本人なのだ。 親からその子は京都に行くと聞いていた。大…

恐縮

たまにはこの種の感動もいいものだ。僕の薬局は、やっている方も普通なら来てくれる人達もごく普通の人達だ。普通の薬局であり続けたいといつも思っているが、それでしかあり得ないのも事実だろう。 ある女性が、ご主人のためにちょっとしたものを買いに来た…

構造式

まさにこの感覚こそが薬学生としての躓きの始まりだった。 今日、薬剤師会の薬物乱用に関する講演会があった。講師は岡大医歯薬研究所の教授だった。薬物乱用の講演だから、麻薬とかドラッグについての社会的な状況などが聞けるのだろうと思って参加したが、…

ホームごたつ

敷き布団の上にホームごたつを置き、かけ布団はお腹から上にかける。こんな寝方をしたのは何十年ぶりだろう。中学校を出てから下宿やアパートで暮らしたので、10年くらいその様な寝方をしていた。ホームごたつの足が当たる布団の場所は深く沈んでいて、ほ…

今朝、早起きして念願の(?)山の上のパン屋さんに行ってきた。この所、週に5回くらい食べているのでパンを買うことが目的ではなかった。パン屋さんの2人が、手作りで何でも作ってしまうと言うのでその作品を見に行ったのだ。お店で使う什器などは建物を…

懸念

正直、あまり見たくない光景だった。牛窓が嘗て経験がないくらいの高波に襲われた台風以来だから数年その女性を見ていないことになる。平屋の家に夫婦で住んでいて、天井近く海水に浸かったという話だから、てっきり家を諦めてお子さんの所にでも行っている…

消防車

我が家の老犬がけたたましく吠えた。見知らぬ人が通りかかった様子もない。お腹が空いている時間帯でもないし、散歩の時間でもない。無駄ぼえかと思った娘が、コップに水をくんでクリの近くにかけた。クリは水を嫌うのでこれは苦手だ。普段ならこれでおとな…

自発的な浪人生が希望校に合格したとお母さんから連絡を頂いた。これで今年少しでも縁があった若者達の受験がすべて成功裡のうちに終わった。浪人生から現役、日本語検定試験から高校受験までとても多彩な年だった。ハンディーを抱えての、或いは克服しての…

詮索

まさに「気になる人」だった。あまり人に関心を寄せない僕だが、その人は気になった。しかし、詮索は好きではないから、ことさら尋ねることはしない。向こうが話せば聞く。それだけのことだ。ある日、ひどい虫さされを治してあげたことで、僕の薬局をとても…

図書館

以前から一度行ってみたいと思っていた県立図書館に初めて行くことが出来た。その気になればいつでも行けるのだが、いつも優先順位が下の方だった。今日は2つの行事の間にぽっかりと空白の時間が出来たので、念願の(?)最新図書館を見ることが出来た。大…