2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

いくら田舎の薬局でもめったにない面白い光景だった。 先客は、80歳代のおばあさん。足が悪いから、店内中央のテーブルに陣取る。そこは普通、簡単な用事の人が少しだけ腰掛けるところだが、おばあさんは、漢方薬が出来る時間ずっとそこで待っている。薬局…

普段着

そのさりげなさがにくい。 以前にも書いたが、機械が壊れるほどストレスを感じるものはない。ありふれた表現だが実際にはもっともっと大きなストレスはある。ただこう書き始めないと話がダイナミックに進まないから、小さなネタに限って大袈裟な書き方をさせ…

「その役は僕じゃないとダメか~」と言いたかったが、基本頼まれれば頑張るから、口には出さなかった。だが、正直苦手だ。スーパーへは日曜夜の御褒美のチューハイか焼きたてのパンしか買いに行かないから、前日忘れて帰った肉と魚をとりに行ってほしいと頼…

提訴

東京 24日 ロイター] - 東京電力ホールディングスは24日、2011年3月の福島第1原発事故発生後の米軍による被災地支援活動、いわゆる「トモダチ作戦」に従事したという米国居住の157人が、放射能被ばくによる被害を受けたとして、50億ドル(約…

反則

かなり深刻な顔をしてやってきた。それはそうだろう。53kgあった体重が丁度40kgに減ったのだから。体重減の原因が思い当たらなくて、と言うより原因を見つけてもらえなくて、僕みたいな田舎の薬局を訪ねて来た。不安感が前面に出ていて、帰るまで笑顔は…

蜘蛛

知識がないから単純に驚いただけだ。僕が驚くものだから、その女性はかなり詳しく教えてくれた。以前はお嬢さんの漢方薬をとりに来ていたが、現在は自分のためにやってきている。だから時折お嬢さんの消息を教えてくれる。 1ヶ月前にお嬢さんが蜘蛛に足を噛…

手術

職業柄、情報を沢山持っている方。それも正確をもっとも重要視する職業だから精度は高い。その上人柄を表しているのだろうが、その情報の質がいい。耳にしたくない、見たくないようなものではなく、教えてもらってありがたいような上質なものばかりだ。 その…

一点突破

いつの間にか心の病気は多くのパターンに分けられ、おのおのに病名がついている。何々障害と、最後に障害と言う文字がつきやすいので、何か壊れているような印象を持つ。あたかも電波障害でテレビが映らなくなっているようで、印象が悪い。 僕のところにやっ…

美学

僕の美学からしたら受け入れられない。 どんなに暑くても寝るときにはクーラーを使わない。窓を全開放して、自然の風を感じて眠る。ただ瀬戸内海は、夕凪が有名なくらいだから決して涼しいとは限らない。それはそれで耐える。それでも寝付けないときは仕方な…

荒野

毎日、症例報告をしているある漢方の会社には、以下のような文章を送った。だけど、僕のブログにはその下の文章を載せる。下の文章を載せてくれる勇気がある会社はないだろう。当たり障りがない文章では言いたことは伝わらない。 80歳代の女性同士が共同生…

「命令も要請もせず自在に人を動かす。権力における自らの優位性は手放さない。そんな人物には気をつけた方がいい。これこそ典型的な悪の技法にほかならない。」 これはどちらかと言うとアホノミクスを擁護してきた側の人間の言葉だ。ところがさすがにその立…

期間限定

僕と母は、介護施設の駐車場にある大きな木の陰で、けたたましい蝉の声を聴いていた。時折蝉が飛び立ち、隣の木に移る。それを見て母が何か言う。聞き取れないが、蝉の声と飛ぶ姿に明らかに興味を示していた。それだけでも今日訪ねた意味がある。時間も季節…

山田太一

「日本では、高齢で飲み込む力が衰えた人は、口内の細菌や食べ物が肺に入って起きる『誤嚥ごえん性肺炎』を繰り返して亡くなることが多いです。誤嚥性肺炎の論文もほとんど日本人の研究者が書いているのです。当時も今も誤嚥性肺炎対策が高齢者医療の重要な…

旦那

世の中には優しい旦那さんもいるものだ。奥さんのために漢方薬を作ってと言ってきた。奥さんが急に呼吸が出来なくなり、しゃべることもできなくなるらしいのだ。何もしてあげられないのでただただ見ているとやがて収まってくるらしい。いつ頃そんな症状が始…

落馬

「過去の不愉快な出来事がフラッシュバックして、いたたまれなくなりじっとしておれない。イライラカッカして物にあたる。そういったときは目が開かない。お通じも不快になる。病院でもう何年も6種類の抗精神病薬を飲んでいる。相談に来てくれたその女性は…

裏表

平日は勉強、休日は介護施設とホテルのアルバイトの掛け持ち。若いから出来るのだろう。そんな2人だから一緒に暮らしていても行動を共にすることは滅多にない。この日曜日久しぶりに一緒に出かけた。 妻は僕らより30分早くたって、かの国の女性2人と、こ…

遺伝子

理由がよくわかった。2年かかって答を得た。最近赤穂からわざわざ漢方薬をとりに来てくれる御夫婦がヒントを、そして答をくれた。 もう何年も前に偶然新聞折込のチラシで、赤穂市での第九のコンサートを知った。何を思ったのか僕は妻を誘ってコンサートに出…

共鳴

「あんたが満を持して勧めてくれたんじゃから、信じて飲んどります」と礼を言ってくれるのは、確かに満を持しすぎたかなと思う男性だ。処方箋を持ってくる人が増えてから、期待した効果に喜んでいる人は勿論、効果が全くないどころか、処方箋を持って来るた…

住宅展示場

ここまでの表現をするとは思ってもいなかった。今まで色々な援助をしてきたつもりだが、この圧倒的な感激の前には、僕のしていることなどたいしたことではないのだろう。現場で聞いた言葉ではなく、帰りの車の中で次女が教えてくれた。 今日教会の帰り道、岡…

習性

戦後まもなく父が牛窓に来て薬局を開いた。それは再婚した祖母が牛窓に嫁いでいたからだ。今朝、開店以来の客だという女性が亡くなったと親類の方から電話があった。開店してまもなくの馴染みだから、75年間ヤマト薬局を利用してくれたことになる。当方で…

返事

きぐすりと言う、漢方薬の会社が運営しているサイトに読者からの質問に答えるコーナーがある。一昨日その質問者に回答メールを送ったら返事が来た。と言ってもきぐすり経由だからそれに対して僕が返事を書くことは出来ない。と言うことは運営する会社がお盆…

民度

僕が「ここには住めない」と思う理由は一杯あるが。簡単にその町の品性を判断できる方法がある。それはゴミだ。ゴミの出し方ですぐに分かる。例えば何度も都市部で目撃したが、僕が訪ねる勉強会の日だから日曜日だが、土曜の夜の宴の残骸が路地裏に無造作に…

健康法

今朝の毎日新聞朝刊に千葉大予防医学センター教授の近藤先生と言う方が寄稿されていた。興味深い指摘がなされていたので、ヤマト薬局を利用してくださる人と、これを共有しない手はない。 僕たちがなんら疑念を持たずに信用している医学的な常識がある。その…

予習復習

母をしばしば見舞ってくれる従姉にお中元を送った。今日そのお礼の電話があったのだが、以前から気になっていた事を伝えてくれた。僕に常識がないことを知っているから言わなければ、言わなければと思っていたのだろう。 偶然母がお世話になっているところに…

台風

早朝、台風接近が怖いという若いお母さんから頂いたメールへの返事 僕は台風は怖いというより、不都合と捉えます。 鉄筋コンクリートつくりだから強そうですが、横から降る雨にはめっぽう弱くて、 1階の薬局部分は、雨がしみこんできて床がぬれたり、2階な…

印象

数時間後に帰国するために牛窓を後にする6人に尋ねてみた。3ヶ月日本にいて、日本に対して印象はどうだったのかと。正直なところを聞いてみたかった。と言うのは3年間の研修生としてやってくる従来の女性達と違って、3ヶ月の人達はいわば会社の命令で来…

家族

その女性は、僕の目の前のソファーに陣取り、僕を食い入るように見ていた。その周りにも、僕のソファーにも何人か腰掛けていたのだが、彼女の視線を最も感じた。そして沢山の楽しい会話の後通訳を介して「どうして私達に親切にするのか?」と尋ねられた。僕…

平然

3ヶ月だけかの国の工場から日本の工場を応援に来た人達と今別れをしてきた。当初、従来からいる人たちを優先しようと思っていたが、最初に会ったときからその人懐っこさにほだされて、優先的にお世話をすることに決めた。僕の車が小さくなったので、一度に…

隣人

受話器をとると聞きなれた人懐っこい声で「風邪を引いてしまったみたいで、鼻水が止まらないんです。鼻水が止まる薬送ってもらえますか?」と一気に用事を伝える。それで薬を選択するようなら素人だ。鼻水が4日も止まらない。抗ヒスタミン剤も飲んでいる。…

発想の転換

面白くてやがて感動する言葉を聞いた。 長いこと僕の薬局を利用してなかった人だが、面影はあって、すぐに誰だか分かった。僕より少しだけ上だと思うから、僕と同じように介護世代だ。その証拠に、お母さんの処方箋を持ってきたり、ちょっとしたトラブルは漢…