2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

稚内

とても礼儀正しくてさわやかな若いお母さんが2週間くらい前に赤ちゃんの皮膚病の相談に来られた。ステロイド拒否の方だから自家製の紫雲膏を使って貰うことにした。 2週間も経っていないのに今日2個紫雲膏を買いに来た。どうしてそんなに必要なのと尋ねる…

家庭料理

単なる想いでしかないが、時々頭に浮かぶ。 薬の仕事だけやって来たから、何か他にも些細なことでいいから世間の役に立てれるものはないかと考えることがあるが、田舎に何が足りないのか、何があったらいいのかなど、意外と思いつかないのだ。物流や情報が発…

祝日

23日の祝日の前日、薬局を閉める30分前にある女性が飛び込んできた。「明日休みじゃなあ、忘れとった。〇〇をくれん?」と言いながら間に合ったことでほっとしたのか、テーブルの前の椅子に腰を掛けた。少し雑談をしていると同じように男性が飛び込んで…

ズームになり、日本中の講演が聞けるようになって、貪欲に参加している。多くの立派な先生方が活躍しているのがよくわかる。 講演の中で、僕の漢方の先生、そしてその先生の先生の名前がしばしば登場する。やはり立派だったんだなと今更、その縁に感謝する。…

常套句

今朝落ち葉集めをしていた時に、二つの穴をフェンスの外側に見つけた。どう見ても人が掘った穴ではない。例の猪の仕業だ。 掘られた場所は、ドッグランの少し山側に点在する家から、県道までの細い道だ。私有地だから誰も通り抜けないが、猪にはそのことは理…

終末時計

そんな薬を作ったこともないし、要望されたこともない。長い間漢方薬を作ってきたが、初めてのことだ。 もともとは膠原病でステロイドを服用していた。血液検査で境界辺りを行き来していたが、症状は立派な本物だった。漢方薬はそうしたときにお役に立てれる…

下位

過敏性腸症候群の女性が訪ねてきてくれた。前日お医者さんにかかったそうで、抗うつ剤を処方されていた。丁度忙しい時間帯と重なって、何度かほかの方の相談に乗ったり漢方薬を作ったりで中断したが、2時間くらい滞在していたと思う。 初めて来てもらったか…

無常

もう2,3年にはなると思うが、どうしても食べたかった食パンがある。 岡山教会から、駅のほうに歩いていた時に、ある小さなお店の前に行列が出来ているのに遭遇した。城下から岡山駅までの岡山を代表する通りにあるのだが、極端に小さくて、白色の店舗に黒…

疑問

週間天気予報に従って、すべての戸外での予定を取りやめていたのは正解だった。午前中は久々の雨量だったから、無理をして行動に移していてもつまらない結果に終わっていただろう。 その代わり家で出来ること、やっておくべきこととして、午前中に一枚、午後…

苦笑い

久しぶりに漢方薬を取りに来た子は、高校生になっていた。どこの高校を受験するのか、誰にも聞いたことがないから、当然僕は彼がどこの高校に進んだのか知らない。ただし、中学校の時にサッカーをしていたのは覚えていた。そこで最初の質問が、体調のことで…

話題

僕の薬局も牛窓町の中では中心部に属するが、それでも後ろに山があるからイノシシが出ても不思議ではない。ただ、ガソリンスタンドの位置は、山からも少し離れている。そこでも目撃されたみたいだから、もう牛窓町もお終いだ。 最近は、薬局に来る人達からイ…

お墨付き

この方のお墨付きをもらえば保証されたのも同然。 底抜けに明るいがそれでいて図々しくない。境遇に恵まれていることがすぐにわかるが、それでいて全く鼻にかけていない。恐らく生まれ育った海辺の町がそうしたのだと思う。牛窓と同じ瀬戸内観沿岸の小さな漁…

牡蠣

牛窓も牡蠣の産地だから、いつもそこにあるものくらいの価値しかない。ただ、それでも美味しいので、殻つきを焼いて食べたり、鉄板で炒めて酢醤油で食べたり、お好み焼きにいれたり、澄まし汁にいれたりしてしばしば食べている。そのどれもが美味しくて、十…

どうぞ僕を呼ぶなと思いながら、順番を待った。思いが通じたのか、納得がいく順番で看護師に呼び入れられた。僕より早くいた人たちが順番に診察室に消えていった後だ。 1時間前に、急いで3階から降りていて、思わず悲鳴を上げた。まさに「何でここで!」と…

違和感

トルコの地震の被害情報を伝えていたニュースの中で、21歳の青年が嘆き悲しんでいた。2か月後に結婚式を挙げる予定だった恋人を失ったそうだ。あんなに素晴らしい人とは2度と巡り合わないと確信していたが、その女性がなんと17歳なのだ。 ここで「なん…

神崎梅林公園

雪景色の代わりを、早咲きの梅で許してもらえるのかと思ったが、十分満足してもらえた。南国の人達にとって雪は未知なるものだから、かなりのインパクトがあるらしいが、花中毒の彼女たちにとっては、十分な代役ぶりだった。正直ほっとした。それにしても昨…

傑作

スマフォが普及して、その恩恵に実は僕も結構与っている。スマフォを持っていない僕が恩恵に与るとは「これ如何に?」だが、あることに特化して大きな恩恵に与っている。 病院の処方箋調剤は時として時間がかかる。僕の薬局に処方箋を持ってくる人の多くは、…

選択肢

お母さまは入院なんですね。 僕は施設に入れた時にあなたと同じような気持ちになりました。 かなり痴呆は進んでいたと思いますが、それでもどこに連れていくかも言わずに施設に行き、 そのまま置いて帰りました。 今でも思い出すと涙が出て止まりません。5…

世の常

「(僕の)息子も喜んだでしょう」と言うと、「先生は無理をせず、ゆっくり治しましょうと優しく言ってくださいました」と言うから、なんて悠長なことを言うんだと思った。医者なんてこんなものか。 僕は逆で、1日でも早く治してあげたかった。だから今回処…

風土

お役に立てれてうれしいです。 無駄な体の緊張がとれて自然治癒して行っているのではないでしょうか。若くて元気なのですから、自然体で過ごすことが出来たら、身体も以前に戻るでしょう。そういった意味で〇〇に帰るのはいいことではないですか。僕も大学を…

先生

小太郎漢方のセールスが先月4枚のDVDを持ってきてくれた。ただ、まだそれを見れていない。見ようとしただけで涙が出てくるのだ。もし見てしまうと、どれだけつらくなるだろうかと怖いのだ。貰った時には嬉しくてたまらなかったのに。 例えば2018年8…

裏表

嘘か本当かわからないが、岡山県が全国で一番パンを食べている県らしい。確かにパン屋さんが急激に増えていて、20年前だったらわざわざ車で一時間近くかけて岡山市の中心部まで買いに行っていたのが、今ではこの片田舎の牛窓町にも2軒美味しいパン屋さん…

記憶の空

なんて幸運なのだろう。 今日の牛窓は、風もなくよく晴れて、春のようだった。こんな日は枯草を焼くにはうってつけだ。朝の8時ころドッグランに行き、何度も枯草を集めては焼いた。 昼食後もさっそく再開したのだが、その時に何となくトンビの鳴き声が聞こえ…

橋渡し

コロナ後遺症でお世話をしてきた高校生。途中から寧ろ後遺症の段階は過ぎて起立性調節障害ではないかと感じはじめ、秋からはそのための処方に変えた。高校生は、出席授業時間の最低ラインがあるから、医師の診断書が必要だ。お母さまは薬と言うよりその診断…

語尾

「ごはん、食べたんかな」と「ごはん、食べたんかな」は似ているが、語尾を上げるか下げるかで意味はかなり違ってくる。岡山県人だったら分かるだろうが、前者なら子を思う母の姿だし、後者なら子も思わない母の姿だ。 もう5年近く、母親の痴呆の為の漢方薬…

完璧

比較するものを持ってもいないし、使ったこともないので、その機能の正確さに驚いた。 ある老人が薬局に入ってきて、耳が遠いのでと言いながら、スマフォ画面を僕にかざした。耳が遠い方は結構おられるから、いつものように大きな声で話しかけた。すると男性…

前途

倉敷中央病院と言えば、倉中と呼ばれ、県内の医療関係の方ならだれでも知っている高度な病院。その中に処方箋を扱わない薬局があったことは知らなかったし、驚きだ。 さらなる驚きは、そんな有名な病院の中に設置した薬局でも処方箋なしでは経営が成り立たな…