先生

 小太郎漢方のセールスが先月4枚のDVDを持ってきてくれた。ただ、まだそれを見れていない。見ようとしただけで涙が出てくるのだ。もし見てしまうと、どれだけつらくなるだろうかと怖いのだ。貰った時には嬉しくてたまらなかったのに。
 例えば2018年8月5日は「胃腸病に用いる漢方薬」と言うテーマで2時間くらい講義をしていただいた。その他は「神経症に用いる漢方薬」などで、その時々に必要な知識を伝授してくださった。30年以上講義していただいたから、次第に復習の内容が多かったが、それでも新しい知見も散在し、一言も漏らさないように集中した。大学の時にこのくらい一所懸命授業を聞いていたらどれだけ素晴らしい薬剤師になっていたかと思うが、場違いなところに来てしまったと言う居心地の悪さに入学半月で気付いてしまったから、薬学に関する知識は全く大学ではつかなかった。
 関西人特有のギャグ満載の講義でついていけない人間はいない。漢方薬がすっと入ってくる不思議な感覚に自分を疑ったくらいだ。僕は生薬でも留年しているのに。
 頂いたDVDの講義は勿論僕が勉強会の世話をさせていた時のものだから、一言も漏らさず聞いていて、そしてその時の先生の表情や声を頭の中で再現できるが、実際の映像を見、声を聞いて平静でおれる自信はない。亡くなった人のことで涙を流したのは、母に次いで二人目なのだから。
 母も天寿、先生も天寿かもしれないが恩をお返しする術を知らない。一切修飾のない、きれいごとなど絶対口にしない人格から零れる知恵に何十年も触れさせていただいた恩に、涙以外で感謝を伝えられない。

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