2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

仮面

肺炎が原因で急速に母の体力が落ちている。今日施設の医師から呼び出しを受け、母の容態やこれからのことについての説明をすると言われた。仕事中なので妻が行って説明を聞いてきた。その時に偶然兄が訪ねていっていたみたいで、兄、妻、いとこの3人が一度…

敷居

漢方薬を作りながら思わず涙ぐんでしまった。薬剤師らしからぬ行為だが、少しくらい感情移入してもかまわないだろう。嬉しかったのだから。 いかにも田舎のおばちゃんで、愛想は悪いが、心根は悪くない。僕が牛窓に帰った頃から薬局を利用してくれている人だ…

沸点

水を差すのは盛り上がっている途中だろう。まだ演技が始まってもいないのに延々と自慢たらたらではうんざりする。言葉の分からないかの国の女性たちですら「何やら偉そうなお婆さんが自慢話を続けている」と感じたのだろう不快な表情を隠さなかった。言葉が…

応援歌

倉敷であった和太鼓のコンサートから帰ったのが8時前だったのに、今10時過ぎまで2時間半、かの国の子の寮にいたことになる。そのことを特別許してくれている工場の責任者に感謝したいが、今夜の長居は結構深刻な内容だった。 僕がかの国で薬局を開けば、…

子供

昨日の毎日新聞に修道院の記事が1面を使って出ていた。珍しいことだから記事を全て読んだ。その中で印象深い言葉があった。あるシスターの言葉だが、自分の子供を育てたいと思ったことはあるが、たくさんの子供を育てなさいという神様の声を聞いたというの…

方程式

東日本から牛窓に移住しようとする人はまだまだいるみたいで、牛窓の人も何とか空き家を見つけようと奔走している。親切だなあとつくづく思う。 昨日、一昨年から僕の両親の家に住んでもらっている夫婦が、洋菓子を持ってきてくれたのだが、その時の話の中で…

太鼓もち

食事の時にテレビのニュースのはしごをするのだけれど、今日の昼は困った。元プロレスラーのタラントが乳がんになったらしくて、そのことについての内容が、だらだらと続いた。日テレとフジテレビの番組だと思う。その時間帯にニュースをやるのは、その二つ…

お土産

その朝、テレビでおはぎと牡丹餅の違いを勉強したばかりだったのだが、結局妻が夢路と言うお菓子屋さんで買ったのは、その店でいつも買う定番のお菓子だった。僕は数年に一度くらい妻について入るだけだが、なかなか店員さんが教育されていて、感心した。わ…

徹底

次女、三女と会うときは、その時間のほとんどが日本語教室になる。三女は英語が出来るから、少しは英語教室をやってもらおうと英語で話しかけたりしたものなら「オトウサン、ニホンゴデ オネガイシマス」と徹底している。貪欲なまでの勉強欲だが、「よい生活…

経済

何とか日付が変わらないうちに帰ってくることが出来たが、それは呼松太鼓が30分も公演が延びたからではない。公演のあと妻、次女、三女と倉敷のファミリーレストランで遅い夕食をとったのだが、二人の身の上話を聞いていて遅くなったのだ。 次女はナイーブ…

移住

牛窓に移住したいと言う人の希望に沿えるだろうと、鍵を預かって家の中外を見てもらった。家の中には何もなくて片付いてはいるのだけれど、それでも住んでいた人の意図みたいなものが色濃く残っていて、面白いものだなあと1人感じ入っていた。借りたい人と…

逃避

なんて優しい声で、なんて物静かなのだろう。恐らく今目の前にいるときも、想像が出来ない不快な症状と戦っているのだと思うが、気持ちをよくコントロールして紳士のままだ。もっとも、身なりはまるで反対で、経済的な苦労をしょっているのも想像つくが、そ…

「仕事や作業を順序立てて行うことが苦手」、「落ち着かない。タバコやコピーなどで頻回に離席する」、「思ったらすぐに口に出したり行動に移したりしてしまう」―。程度の差こそあれ、思い当たる人は案外多いのではないだろうか。近年、認識が広まりつつある…

劣化

処方箋を持って来る人を法的に選別することは許されないから、来たものは拒まずだ。ところが招かれざる客は結構いて、楽しく働いているのに水を差す。もともと、来たい人だけ来る薬局を標榜し、ほぼそれが実現していたのに、2年前の市民病院分館の期限付き…

加速

「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版」と言う、3年ぶりの改定版が出た。今回の売りは、診断基準がとてもシンプルになったことで、「骨粗しょう症治療対象者が増えることも期待される」「現在、骨粗しょう症患者は1300万人と推定される…

汚染水の海洋投棄

汚染水の海洋投棄 東京電力は14日、福島第1原発の原子炉建屋周辺の井戸(サブドレン)からくみ上げた地下水について、初めて海への放出を開始した。放射性物質の濃度は、国と東電が定めた放出基準を下回っているとしている。海への放出基準は、セシウムは…

役人

テレビニュースを見ていた息子が「川は怖いな」と独り言のように言った。独り言かもしれないが、あの激しく堤防から流れ落ちる水の勢いを見れば思わず頷きたくなる。川に縁がない僕たちは、判断材料を何も持っていないから、恐れることもなかったが、あの映…

一本

「どうだ、参ったか!」剣道か柔道で一本取った感じだ。 牛窓工場の人達はもう何回も和太鼓のコンサートに行っているが、どうも〇〇工場のかの国の女性たちは興味がないらしい。一人通訳の女性だけがとても気に入っているが、過去何度誘っても他の女性は遊び…

あれは幻ではない。1秒にも満たない時間かもしれないが、その光景に僕の思考は十分ついていっていたのだから。これは日本中で多くの人の目に留まって大騒ぎになっているのではないかと慌てて家に帰ってパソコンを立ち上げたのだが、その話題は皆無だった。…

腐敗

職場の人間関係で被害者の側に立った人の抱えるトラウマはかなりのものがあるらしい。今だ買い物に行って出会いでもしたら、動悸がするほどらしい。もう会社を去って同じ社会人なのだから何の遠慮も要らないはずなのに萎縮してしまっている。僕はいつまでや…

移住

二組の家族が牛窓に住みたいから、家を探している。何か良い情報はないですかと、その二組の知り合いから頼まれた。この町にとってはとてもよいことなので喜んで協力すると約束した。早速僕は来る客来る客、空き家の情報を持っていないか尋ねた。当然過疎地…

救急

嘗て薬剤師の講習会で訪ねた事があるが、記憶を呼び起こすことは出来なかった。恐らく30年位前に訪ねただろうから、建て替えられているのかもしれない。なかなか大きな総合病院だ。 夕方施設から母を救急で労災病院に搬送したと連絡があった。高い熱と酸素…

難民

行列をなしている人達は、プライド高き人達で、決して何かが劣っているわけではない。偶然生きている場所と時間が作った状況と戦いながら生き抜いた人達だ。その人達に必要なのは同情や哀れみではない。友情だ。同じ行為をしても、同情や哀れみと、友情とで…

萎縮性胃炎

ある病気で紹介されて来た男性を問診していた。体格もいいしよく働くし、何処が悪いのかと思うくらいだった。良く話もするし、丁寧で気配りも出来る人だ。病院の薬も飲んだことがないくらいだが、ある一つの不調で日常がかなり憂鬱なものになっている。生来…

一角

ついに一角が崩れた。と言っても僕が勝手に三角を作っていただけなのだが。 携帯電話を持っていないのは、漢方の先生と高山にいる僕の先輩、そして僕。3人で三角形を作っていた。三角形は安定するらしくて、僕は漢方の知識、と言うより薬局で人を治すための…

土曜日

どうも留守番は年寄り?年長者がするのが相場みたいで、今夜も僕ら夫婦がするらしい。仕事が大好きだからそれは一向に構わないが、出し物の中に和太鼓があるとなると心は千々に乱れる。 理由は知らないが、息子の職場で今夕花火大会があり、屋台は勿論、踊り…

土鳩

1枚の葉書が届けられた。全く予想していなかったもので、その施設の良心が伝わってきた。こうした何気ないサプライズに胸を打たれる。 葉書には上下に2枚の写真が印刷され、上段は5月3日に傷ついて飛べなくなった鳩を段ボール箱に入れて持参し、保護をお…

乾杯

咳が止まらないという女性が、漢方薬を作ってもらう間に、近所のドラッグストアに御主人の酒を買いに行ってくるといって出かけようとしたから、僕にも1缶買ってきてと頼んだ。僕が頼んだのはジュースのようなお酒で、毎日曜日1週間働いた御褒美として飲ん…

自画自賛

ひつこいようだが、アホノミクスのネーミングは僕が絶対一番早かったと思う。すぐに思いついて、頻繁に利用した。浜先生がアホノの前にドをつけたのにはなかなかやるなと競争心を煽られたが、アホコミで差をつけることが出来たと思っている。そして今日発表…

食い物

ほとんど実益よりも小さな旅行の意味も含めて、県外の医者対象の漢方の勉強会にもしばしば出席する。医者の世界は見ていて歯がゆいことが多い。立派な人が多すぎるのか、なぜかよそよそしい。形式ばっている。僕がお世話させていただいている薬剤師だけの勉…