発掘

 何でアベベを思い出すのだ。恐らく60年くらい前のヒーローを。
 ドッグランの草刈りをしている途中でバッテリーが切れたから、薬局にもう一つのバッテリーを取りに帰った。普通は、駐車場で長靴からスリッパに履き替えて薬局の事務室に入るのだが、その1行程が、その朝に限って面倒だった。だから、入り口で長靴を脱いで、室内にはスリッパをはかないまま入った。コンクリートの上に床のように見える敷物を貼り付けているだけだから、感触はほぼコンクリート並みだ。だから、クッションが全くない状態で、歩くだけで響く。ただこの響いている場所が定かではない。指骨か踵か、足首か膝か、はたまた腰か。
 硬い所をほぼ素足状態で歩くようなことは、長年やっていないのだと気が付いた。幼い時、若い時などほぼなにも違和感なくやっていただろうに、ほんの数歩歩いただけで、アベベまで行きついた。
 ローマオリンピックだから僕はまだ小学生だった。恐らく学校にやって来る巡回映画と言う奴で見たのだと思うが、スローモーションで映し出されるアベベの呼吸が、とても印象的で今でも思い出せる。ドアップでスローモーション、そんな映像を見たことがなかったのだろう。
 当時、素足のランナーと言う所ばかりがクローズアップされ、幼心にはヒーローだった。うすうす、鍛えられた足裏がアフリカの貧困と結びついていることは分かっていて、感動を増幅させた。勝つべき人が勝つような世界に幼い時から僕は違和感を持っていて、今でも全くそこから抜け出ていない。こんなに硬いところを彼は40km以上走り続けたのかと驚きの発掘。

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