2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

局部麻酔

これで3回目なのだが、慣れるってことはないのかな。まず、局部麻酔を飲まされる頃からもう緊張する。上を向いて飲むから、唾がたまって、歯医者と同じような不快感に襲われる。のどをごくごく鳴らしても飲みこんではいけない。3分間は意外と長い。時間を…

異国

その国では、働いていない人は健康保険には入れないそうだ。だから、今回心臓の手術をするのでも、全額負担らしい。果たして保険無しの心臓の手術がどのくらいかかるのか分からないが、常識的に考えれば年収を越えるのではないかと思う。まして、父親は失業…

火傷

煎じ薬を作っている時に丁度相談の方が来られて、慌ててしまい熱湯を小指の上にこぼしてしまった。機械でパック詰めにするもので、途中で止めると分量などが合わなくなるので、痛いのを我慢して最後までやった。何回も同様の失敗はしているので、余り深刻に…

仲秋の名月の夜、月は影を作っていた。月明かりで物の影が出来ていた。本来は自分が太陽の影のような存在なのに、その夜は輝いていた。時と場所と状況を与えられれば、誰だって輝くことが出来る。まさに一隅を照らすことは誰にだって出来る。大きなことを企…

垂直

カルテを見てみると3年半の付き合いになる。最後のほうは、半月分送れば1ヶ月も2ヶ月も薬がもっていたから、実質はそれほどでもないのかもしれない。しかし、結構長い間お付き合いをしていたことになる。彼女は最初に電話をくれた時、ほとんど泣いてばか…

廃棄

今朝からパソコンがおかしい。今までにもしばしば同じような不調は起こしているので、その道に詳しい人がいれば簡単になおせれる。数人の協力者に頼んだら、色々連絡をしてくれたあげく、もう古すぎるから変えた方がよいと言う結論になった。ウインドウズ9…

末端

真っ黒な濠の中で、女の子の泣き声が響いた。かすかな明かりの中で小学生低学年くらいの少女が家族とはなれたのか泣いているのが見えた。日本軍の将校が傍により、少女の左のこめかみにピストルを当て引き金を引いた。銃声と同時に泣き声が止み、少女が倒れ…

出口

玉野市と言うところは県南では珍しく切り立った山が多く、花崗岩で出来た岩が剥き出しになり、今にも落ちてきそうなところがいたるところにある。その山の一つを貫通する長いトンネルがある。平生は、四国に渡るフェリーと連絡する為に交通量が多いく、対面…

役所

来年から、うつ病などで自殺の可能性がある患者を早期に発見して専門医に紹介したら、町の医者は報酬がもらえるそうだ。国が決めた。なんとなくピンとこない。こんなこと、報酬がなくても当然することではないか。お金をもらわないと見過ごすのだろうか。医…

笑い

大阪の勉強会に行って、生粋の大阪人薬剤師と話す機会があった。勉強会の途中でも僕は結構話の腰を折るし、昼食時間が1時間あったのでその間食堂でゆっくり話が出来た。その結果、帰る道すがら彼らの僕に対する評価は、「大阪の人間に負けない」だった。 何…

若者だから解決出来ることはいろいろある。若者でなくなったから、それらのことには全く疎くなり、とうの若者の力と知恵を借らなければならないことが増えた。失った能力を悲観してみても仕方がないから、それを補ってくれる人と接点をもつ。ほとんどは経済…

貫通

誰にもらったものか分からないが、封を開けずに放置していた記念品風の小さな紙箱を開けてみた。少しシミがついているように見えたから、結構放置していたのだろう。中からスタンド型のデジタルの時計が出てきた。大きな数字で見え易いが、今敢えて時計が必…

子供

月曜日の朝、岡山に向かって車を走らせていた時のこと。もう岡山市に入っているところだったと思う。道路沿いの小さな工場みたいな建物の前に駐車場がある。その駐車場に幼い子供が立っていた。幼稚園児くらいに見えた。その子が道路を渡ろうとしているのか…

恩恵

季節も月も、一瞬立ち止まって考えなければならないような朝だった。 ある本を買いに岡山では有名な本屋にいかなければならなかった。朝早く出すぎたので、10時の開店を少し待つことになった。市営の駐車場から数百メートル歩かなければならないが、焼けつく…

白黒写真

往復6時間。その上、椅子に腰掛けること6時間。正直少々辛くていつまで続くか自信がない。久々に大阪に勉強にいってきた。電車を数度乗り継いで、高層のマンションが林立し線路に迫る中を移動する。朝、眠たいのを我慢して後にした光景と余りにも対称に位…

いつも誰かと、なにかと戦っている。これは多くのかたの相談に毎日乗っていて感じることだ。相談どころか、日常の会話の中でさえそれは窺い知ることが出来る。自分のことを考えてみただけでもそれはうなづける。だから目が覚めた時からもう交換神経神経はビ…

難儀

それは、恐ろしい光景だった。 午前中、薬局の前に軽トラックが斜めに止まった。調剤室で仕事をしていたから、視界に入る。当然誰かが入ってくるだろうと思ったが、なかなか入ってこない。たまにそういったこともあるので別段気にしなかった。どのくらい時間…

景色

今日、ある方がメールで写真を送ってきてくれた。澄みきった青空の下に雄大に広がる雪を頂いた連峰。手前に地方都市を思わせる点在するビル。この景色ははっきりと覚えている。瀬戸内の穏やかな景色の中で育った僕は、自然のもつ険しい美しさにしばし見惚れ…

目的

美しい国を作りたかった人が辞めた。美しい国を作りたかったら、百姓や漁師を大切にして欲しかった。都会にすみ、多くを消費する人に、美しい国はつくれない。生まれた時から将来を約束されたような人に、人の心は分からない。想像は出来ても理解は出来ない…

関東

牛窓を8時過ぎに発てば、その人の住む街に午後2時頃着けるらしい。色々時間を調べているようだがその辺りに落ちついたのだろう。僕は直接タッチしていないから詳細は分からないが、過敏性腸症候群で悩んでいる人に直接会いに行くらしい。僕に体力と時間が…

盗難

ちょっと慌てて、けっこう慌てた。 日曜日の夕方、薬剤師会の代議委員会に出席した後、市営駐車場に車を取りに行った。昼過ぎに車を止めてから3Fと書いてあるフロアの階段を降りたのをはっきり記憶していたから、3Fの案内板があるフロアで階段から出た。…

十字架

人は、大なり小なり十字架を背負って生きている。十字架は貧困かもしれないし病気かもしれない。それとも人、それも身近にいる妻や夫、子供や、孫かもしれない。昔、十字架はもっとも卑しめられた、処刑だった。木に縛り付けられた手が腐り、出血し、数日か…

Aへ

今日、義母の葬式に教会に行ってきました。お昼の数時間薬局を留守にしたので、何 人かの折角訪ねてきて下さった方に会えませんでした。そのうち数人は是非会いた かった人です。娘が分かる範囲で調剤したみたいですが、薬のことよりお会いして様 子を是非う…

派遣

夜中、ラジオの深夜放送を目一杯ボリュームをあげられて、いやがおうでも聞かされた。何時に仕事を始めていたのか今になっては記憶がないが、終わった時間帯は記憶にある。明るくなってから、電車で名古屋に向かったとき、僕は新岐阜の駅からずっと立ったま…

時々、今日もそうなのだが、過敏性腸症候群の人は、いったいどのように治っていくのですかと質問を受けることがある。多いに関心があるだろうが、僕にも分からない。はい、今日から治りましたというような割りきれる症状ではないので、ケースバイケースだと…

考え過ぎ病

久しぶりに魚も肉も卵も牛乳もパンも家族と同じように食べたと、喜びのメールが今日入ってきた。過敏性腸症候群の人でなければ、何でもないことだが、彼女にとってはおそらく数年ぶりに口に出来たのだから、喜びもひとしおだろう。それよりも家族の方の方が…

機械音痴

火事場の馬鹿力ではないだろうが、僕の古い方のホームページを娘が復活させそうだ。辞めさせた薬剤師が、コンピューター言語で作ったもので、いくら頼んでも使い方を教えてくれなくてやむなく放置していたものだ。私のホームページと呼んでいたので思い入れ…

エール

本当は全ての過敏性腸症候群の方の為に実況してあげたらよいくらい、それは希望と不安が入り乱れ、溜息と笑いが交錯し、過去と将来が激しく往復していた。しかし、それはとてつもなく穏やかな時間に包まれていた。 牛窓の町を見下ろせる半島の山腹に牛窓ホテ…

天気雨

今頃もう二人は家に着いただろうか。遠く西の方から、遠く東の方からとても素敵な女性が来てくれた。岡山駅で見送った後、娘が開口一番「二人のお姉ちゃんが出来て楽しかった」と言った。僕は口には出さなかったが「また2人の娘が出来てうれしかった」と心…

過去問

今僕の傍で、西の方から来た女性と、外国からきた女性が話している。西の方から来た女性は、僕の代わりに外国から来た女性に日本語検定試験のための過去問の疑問点を教えている。さっき、4時間以上かけて着いたばっかりなのに、煎じ薬を2人分作るのを手伝…