過去問

今僕の傍で、西の方から来た女性と、外国からきた女性が話している。西の方から来た女性は、僕の代わりに外国から来た女性に日本語検定試験のための過去問の疑問点を教えている。さっき、4時間以上かけて着いたばっかりなのに、煎じ薬を2人分作るのを手伝ってもらって、その後個人教授をしてもらっている。問題が済んだみたいで今は雑談に興じているが、2人の話を聞いていると、2人の知性と誠実さがよく伝わってくる。出会うはずがない人が出会い、一時を楽しく過ごす。見ていて、人間っていいなと素直に思えてくる。お互い得るものも多いのではないか。西の方から来た女性は、外国から来た女性の目がとても輝いていたと言っていた。僕はその輝きを短時間のうちに導き出した西から来た女性がとても輝いて見えていた。西の方の人は今晩泊まっていくが、娘が帰ってきた感覚と全く変わらない。まるで長女が帰ってきたようなものだ。幸せなんかどこにでも落ちている。それに気がつくかどうかだ。よい耳を持って風の音を聞き、よい目を持って丘から見下ろせばそれだけで見つかる。西から来た貴女、扉を開くのは貴女自身。