2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

どこに行くにも手ぶらだったから鞄などと言うものを持ったことがない。高校を卒業してから縁がない。今でも荷物があれば、コンビニのビニール袋に入れていく。途中で破れれば、何か一品買い物をすれば手に入る。 円高で韓国に行けば免税店で高級ブランドが安…

どうしても手術をしたくないという方を世話して半年、久しぶりに訪ねてきてくれた。もう脊椎管狭窄症は治って仕事をし、新たなトラブルもないので雑談を楽しんだが、田舎に住んでいる僕だって「怖い、怖い」を繰り返した。 その方が住んでいるのは隣の市だが…

セコム

我が家の優秀なセコムも、寄る年には勝てなくて最近は全く仕事が出来ない。若かった頃はおよそ人間の耳では聞けないような音を察知して、ずいぶんと精度の良い警告を発していてくれた。非科学的なことを言うが、我が家の前で2度大きな交通事故があったが、…

体罰

熊本大学とハーバード大学の共同研究で、子供の頃長期に渡って強い体罰を受けた人は、受けていない人より脳の前頭葉の一部が最大で19%縮んでいると言うことが分かった。アメリカで4~15才頃に平手打ちにされたり、鞭で尻を打たれるなどの体罰を年12…

野球少年

薬局を開けたらすぐ飛び込んできた青年とは久しぶりに会う。10年以上会っていないのではないか。高校を卒業する頃、僕のバレーボールチームに入ってきた。メンバーの一人と近所だったよしみで誘われたらしい。甲子園を目指していた野球少年だったから、が…

オークション

あるオークションでの出来事。 10才くらいの少年が、自転車のオークションに参加していた。最初の1台が出てきた時少年は「200円」と大きな声をかけた。すると会場から「1000円」「1500円」「2500円」と声がかかり、結局2500円で落札さ…

身の丈

まあ、何とも程度の低い国だ。収入の何倍もカードで金を借り、身の丈以上の生活をするのが当たり前なのだそうだ。それなりの教育を受けている人間でさえ、その危険を疑ったこともないらしい。物欲が生き甲斐と公言する。借金で贅沢な暮らしをする。勤勉な国…

精一杯

明治生まれの4人の祖父母達は、それぞれ家庭の中で役割を持ち、最期まで不自由を経験せずに亡くなった。知的にも何ら衰えを感じなかった。どちらの家庭も3世代同居だったから、色々な確執はあっただろうが、老いても尊敬され大切にされていた。偶然だが、…

優勝

先月とその前の月、偶然だが、二人の超便秘の人を応対した。二人とも見たことがないので、どこの人かわからない。ただ、二人ともコーラックを指名して買いに来たので遠くの人ではないだろう。いつもの癖で、何となく飲み方を尋ねてみた。驚くなかれ、二人と…

最強

なんだ、僕はオタクの始まりだったのかと、朝のニュースを見ていて思った。単なる落ちこぼれと思っていたけれど、今で言うゲームオタクだったのだ。 浪人時代を含めて6年間、試験中を除いてパチンコに行かなかった日はない。多い日では8時間くらいはしてい…

写真

元々はクールな美人だと思うのだが、長い間笑顔を忘れていた。今日、4年遅れの成人式の写真を見せてくれた。何枚も見せてくれたが、素人がまるでモデルのような表情や仕草で写っていることにまず驚いた。綺麗に装丁すれば着物の雑誌に載っても違和感はない…

ジーパン

いつからジーパンが日本に入ってきて、普及したのか分からないが、僕がはき出したのは大学に入ってからだ。今から思えば高校を卒業して浪人時代は何をはいていたのだろうと思うが、いわゆる綿のズボンをはいていたのだろうか。学生ズボンからジーパンの1年…

タイ

男3人、女性一人のフィリピン人の唄にギターで拙い伴奏をしていた。するとある女性が突然唄の中に入ってきて、ハモってくれた。それまで2月くらい同じ唄を彼らと唄っていたが、まず誰からも誉められたことはない。ところが後で数人に、今日の唄は良かった…

仕事

恐らくお母さんがお嬢さんのことを心配して連れてきたのだろう。違う人を応対している間二人並んで椅子に腰をかけて待っていてくれた。ちらっと見たときには二人とも見覚えがあったが、偶然同時に入ってきたのかと思っていた。二人の前に僕が腰をかけても動…

ゴーヤとプチトマトを差し入れてくれた奥さんに、お茶を出した。その奥さんが器をしげしげと眺め、「これは備前焼?高そうね」と言った。器は、濃い茶色で焼き加減か少し色が明るい箇所もある。こんな焼き方にも名前があるが僕は覚えていない。備前焼の重厚…

月の心

2週間くらい前ある女性が、岡山の大手のスーパーで野菜を買おうとして手に取り、産地を見たら中国産としてあったので止めたと話していた。数日前からまさに問題になったそのスーパーのその野菜だった。今日良かったと胸をなで下ろしていた。ニュースで報道…

松葉杖

いつも車のトランクに釣り竿を積んでいて、その日焼けぶりから、かなり通っているに違いない。僕より一回りくらい年下だと思う。その彼が今日は、松葉杖で薬局に入ってきた。松葉杖を旨く使いこなせていないから、恐らくつい最近使い始めたのだと思う。包帯…

迷い道

まめな方ではないが、記憶力には自信がないから、拾い集めた知識をコツコツとノートに書き込んでいる。何々流というような純血の勉強をしていないので、雑種もいいところだ。だから、血統書付きの偉い先生と話しても、用語すら分からないことが多い。所詮田…

不完全

後何年待てば、健康になれるのだろう。後何年頑張れば、心が戦うことを止め苦悩から逃れられるのだろう。どれだけ努力すれば徳を積めるのだろう。何百回懺悔すれば過ちを繰り返さなくなるのだろう。どれだけの本を読めば知識が深まるのだろう。 完全でないこ…

後悔

19世紀の話。テームズ川の畔で乞食がバイオリンを弾いてお金を恵んでもらおうとしていた。そこを通りかかった男が、「今恵んで上げるお金をもっていないが、私もバイオリンを弾くことが出来るからバイオリンを貸してくれないか?」と乞食に話しかけた。乞…

沈黙

上がっただ、下がっただ、つぶれただ、買収されただとニュースや新聞でうるさいが、こちとらとは全く関係ない。お金は働いて稼ぐものとしか理解していないから、売っただの買っただの関係ない。生活は稼いだ額の範囲で営むことにしているから、不景気でも構…

便乗

僕がいくら力説しても世の中に何の影響ももたらせないが、昔から言い続けていることがある。たいした内容でもなく、他の多くの人も当然同様の考えをもっていると思うが、ある高名な方の文章の中に最近同じ趣旨のことを見つけたので、便乗してここに披露する。…

基準

心の病気っていったい何なのだろう。勿論専門的な尺度があって、それに従って専門医は治療をしているのだろうが、僕にはその基準が全く分からない。 話していると良く笑い、話題も豊富で楽しい。ところが、その気配りのせいで後からどっと疲れが出るという。…

物理屋

自分を学者と呼ばずに「物理屋」と言ったり、受賞を嬉しくないと言ったり、天真爛漫というか、謙虚というか。本当に勉強が好きで、その道を邁進した人達は、僕ら凡人とはかなりかけ離れた価値観を持っているらしい。最近は、マスコミを利用して虚像を垂れ流…

商店街

雨を避けて、アーケードがある商店街を行ったり来たりしていた。そんなに長くはない商店街だから、数回も往復すれば、同じ商店の店主とおぼしき人とも目があって、気まずい思いをしたりした。僕が幼い時の県下随一の商店街も、今は高齢の店主が店の奥から人…

精一杯

「授業中に、居眠りをしてハッとして目を覚ますことが多くなって・・・」こんな言葉が聞ける人ではない。嘗て学校は彼女にとっては戦場で、教室の中はさながら拷問室だったはずだ。一瞬たりとも気が抜けず、いつもお尻に力を入れて、おならを漏らさないよう…

人様

10年以上僕の薬局を利用していなかった人が突然やってきた。最近の不調を説明して何とかしてと言うことだった。僕は漢方薬を作って渡したのだが、実は気乗りはしていなかった。1週間分作ったら、それが又良く効いたらしくて、再び薬を頼まれた。 僕が牛窓…

ドミノ倒し

首から上と下では年が20才は違う。以前からその道の商売をしているのだろうと思っていたがやはりそうだった。僕を昔から、「先生、先生」と呼ぶのだが、どうもその呼び方が板に付きすぎていて、客商売特有の響きがしてならなかったのだ。「社長」ではない…

写真

送られてきた一枚の写真を見て、感想をどう表現しようかと悩む。僕自身、あるいは、あまりのかわいさに大きな声で呼んで見てもらった家族も皆「可愛い」と同じ表現を口にした。この言葉だけでは実際に写真を見ている人にしか分からず、こうして第三者に伝え…

副作用

薬局には毎日数カ所から必ず薬に関する情報が入ってくる。郵送もあれば、FAX、インターネットもあり、そのあまりの多さに食傷気味だ。懸命に目を通そうとするが、物理的に無理だ。興味あるものにだけ目を通すと、知識が偏ってしまうし、興味がないものは…