2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

敗者復活

現実を知って愕然とすることはこの所とみに増えてきたが、今日の出来事はその中でもダントツにショックだった。何気なく見つけた鉄棒にぶら下がり、懸垂を試みたのだが1回も出来なかった。何年来、鉄棒にぶら下がるようなことはなかったから、いつから出来…

置いてきぼり

税理士さんが、いくらエコカーを購入するときに補助があっても、元が高いので中古車を数年ごとに乗り潰す方がいいと教えてくれた。国は景気浮揚のためにお金を使うことばかり奨励するが、元手がない人がその気になって使いすぎるととんでもないしっぺ返しを…

集音機

ある女性からメールをもらった。以下のような内容だ。彼女に返した僕のメールがその下のもの。同じような悩みを持っている人に読んでもらいたい。 「今、落ち込んでます。一週間前にショッピングモールに行ったんですけど、そこで若い男の子にすれ違いざま『…

恩恵

軽トラックの後ろに一杯工具を積んでいるから職人さんだろうか。がっちりしているが恐らくもう70才は越えているだろう。目が疲れて目薬が欲しいと言うから色々と質問してみた。眼鏡をかけていないからよく見えるのだろう。かすむようなこともないと言って…

蛇口

アフリカの砂漠地帯から東京に来たある部族長が一番驚いたのは、蛇口をひねれば水がふんだんに出てきたこと。彼らにとって水は、遠くはなれた井戸に通い詰めなければ手に入らない貴重なものだ。帰国するときに彼は一杯蛇口を買い、お土産に持って帰った。帰…

凄惨

恐らく青春時代に一番多く口にしたのは「なにかいいことない?」と言う言葉だったのではないか。ほとんど挨拶言葉になっていたように思う。おはようもこんにちわもなかった。先輩や友人に会って、型通りの挨拶をした記憶がない。もっぱら、時間帯も先輩後輩…

ほどほど

冷静に振り返ってみれば何でもないことが、その時は大変なことのように思えることがしばしばだ。現役で青年時代を送っている人にとってはまさに毎日がそうかもしれない。自分の姿が鏡に映るたび、ショーウインドウに映るたびに陶酔に浸り、その陶酔を維持す…

黙々

黙々という言葉は僕には一番不釣り合いだ。およそその様な言葉が似合うようなことを未だかつてしたことがない。飽き性、根気がない、目移り、軽率な言葉の羅列がそのまま僕には当てはまる。結果を簡単に要求してしまうところも又欠点だ。過程を、特に努力を…

水彩画

本来ならこの時間帯は仕事中のはずなので、どうしたのかなと思っていたらこの春で定年になったらしい。だから昼前に薬を取りに来れたのだ。ただ、ついこの前まで働いていた職場の制服姿で来るから、こちらには分からない。彼は何時の頃からか薬局にしばしば…

新陳代謝

丁度僕が応対中に電話で相談の依頼があった。電話を受けた妻は娘に替わった。僕はコーヒーを飲んだりしながら常連の人の話を聞いて漢方薬を作ったりしていた。結構長い時間、電話で話しているなと感じていたが、常連の方が帰ってもまだ話していた。細切れに…

土砂降り

口を開くたびに笑顔が広がる人がいる。笑いではなく笑顔なのだ。その笑顔の由来は何なのだろうと尋ねたくなるが、ぐっと我慢している。どうしてそんなに笑顔なのと聞いたりしたら、馬鹿にしているようにとられかねないから。笑顔と笑いは似て非なるものだと…

勝因

この時期は新たな環境に入っていく機会が多い。そうしたとき往々にストレスが身体に反応を起こす。過敏性腸症候群などはその典型だろう。相談が一度に増える。 高校に入学が決まり、式が迫ってくる頃から下痢をするようになった。自分も過敏性腸症候群のお母…

岡山弁

ネイティブの英語が話せる女性が泊まっているので、このチャンスを逃さない手はない。日曜日にフィリピンの人達と会うから、ちょっと気取って驚かしてやろうと思う。僕が彼らに話しかけるときは純然たる岡山弁オンリーだから、明日はネイティブイングリッシ…

宝物

どう見ても正反対の人間だろうと言いたくなるが、こと自分のことになると冷静な判断はなかなか出来ない。失礼だから敢えて聞かなかったが恐らく体重は3桁近いのではないか。その彼が2週間咳が止まらないから、最近お笑いタレントの女性がかかった病気では…

今日話した若者達へ

何の工事が始まったのか、目の前にある給食センターの大屋根を越えてかなり高くキリンの頸のようにクレーンが顔を出している。ああ、あんなのが3車線の道路に倒れて車や人を直撃したのだと数日前に何回か流された映像を思い出した。無警戒なところに倒れて…

木戸銭

1日200円以下で暮らしている人が、地球上で30億人いるそうだ。こんな記事に触れるといつも複雑な気持ちになる。平生何も考えずに過ごしている後ろめたさと、何も出来ない無力感。贅沢は極力避けているつもりだが、彼らに比べれば犯罪的な贅沢だろうし…

封筒

何処にしまっておこうかと迷ったあげく、信州のあるお母さんが下さった素敵な木箱の中にしまっておくことにした。たいして大切なものを持ってはいないので、A4くらいの面積、高さ数センチの箱一つで十分収まる。ひょっとしたら僕の人生の全てがその箱の中…

倹約

夜の11時過ぎ電話が鳴った。息子さんが40度の熱を出してしんどがっているという。夕方仕事から帰ったら寒気がすると言って寝ていたのだが、今ふらふらしながら2階から降りてきたという。経過を尋ねたら、夕食後PL顆粒を飲ませたという。夜遅くに電話…

平等

僕が調剤室で漢方薬を作っている間、薬を取りに来た女性と妻が話していた。妻は、その女性が何か本来の目的と違う症状を言ったのである薬を薦めていた。別に売ろうという気はなく紹介しただけだったのだろうが、突然その女性がトーンを上げて、「その金額で…

機関誌

もうずいぶんと長い間、毎月ある個人医院が機関誌を送ってくださる。医学的な内容ももちろんだが、医師の雑感を楽しみに読ませてもらっている。温厚だがちゃんと言いたいことは言っている。権威があるから堂々と意見を述べているのだと推測できる。さもなけ…

作業着

もうその男性は1年くらいは配達で毎週1回来ているのではないか。どう見ても定年は経験している年齢だろう。紺色の作業服を着て、軽トラックから注文の医療雑貨を降ろし、判をもらい、不要のダンボール箱をいくつか受け取って帰っていく。ほとんど私的な会…

愚問

いったいどのくらいの高さを飛んでいるのだろう。声の近さに比べて見上げれば小さくカラスが旋回しているのが見える。島の上に昇った朝日はもう空を一面に青く染めていた。雲一つない朝の空気を透かして、僕はカラスを、カラスは僕を見ている。夜勤あけの中…

ついにスタートを切ったのだと感慨深い。最初に配属されたのが救急救命の部署らしいから、かなり過酷だろう。もっともまだ新米だから余り役には立たないだろうが、採血くらいはさせてもらっているらしい。後は小間使いか。そうやって、やがて立派な医師に育…

郷愁

僕が牛窓に帰ってきた頃は、この男性は今の僕より若かったのだろう。当時はずいぶんと年上に見えていたのだけれども。何を気に入ってくれたのか、しばしば薬局に来ては煙草を吸いコーヒーをすすりながら、人生や政治について語った。もっともそんなに程度が…

腰痛

僕が事務方をやっている漢方研究会に、珍しく夫婦で参加している一組がいる。珍しくと言うのは、何故か会員は独身女性が多いのだ。薬局を経営していたら自立できるし、面白いからか、又そもそも漢方をやろうと言うのは男も女も変わり者が多いのか、3分の2…

「過敏性の自分も含めて自分が大嫌いで、自分も誰も信用してなくて、他人と自分を比べては卑下してたけど、バイトして学校がまた始まって好きな音楽を学んだり触れられるって思ったら‥なんだか嫌いではなくなってきた気がしてきました。他人と接触する事を恐…

移動

普段僕の薬局が狭いと思うことはないのだが、この時期だけはその狭さを実感する。 春は学校の先生の移動時期でもある。中学校が1つ、小学校、幼稚園が各3つ。計7つの学校の先生方が、それも出ていくグループ、入ってくるグループと入れ替わり立ち替わり挨…

試してガッテン

今週の試してガッテンという番組で、過敏性腸症候群を取り上げていた。見た方も多いと思うが、恐らく今悩んでいる人にとっては、そんなの分かっているよって感じだったろう。当事者はありとあらゆる情報を集めているから、今更目新しいことはなかったのでは…

撃沈

昨日、ある若いお母さんから頂いたメールが、深刻な内容を一杯含んでいるのに何故かほほえましくて、何度読み返しても笑いを禁じ得なかった。本文はもっと長いのだがエキスを抜き出したら以下の文章にまとまった。読みながら、今はほとんど友人のように接し…

肉汁

ほんのちょっとだけ照れるような言い方だったが、一瞬の間に僕はすぐ予想がついていた。案の定秋に結婚が決まったと教えてくれた。反射的におめでとうと言ったのは、彼女だからで、僕はそんなに素直に結婚に対しておめでとうというタイプではない。 まだ完全…