2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

セシリア聖歌隊

いつも聖歌隊の中心で歌う女性が、一般の信者が腰掛ける席にいたので、又、20人を超える侍者服(全身を緩やかな白い生地で覆う)の集団がいつもの聖歌隊の席に陣取っていたので、何となく違和感を感じてミサの始まりを待った。時間を告げる鐘の音を合図に…

陳腐

生まれて間もない赤ちゃんの写真をメールで送ってきてくれた。目を閉じているから表情は分からないが、恐らくお母さんに似ているのだろう。過敏性腸症候群でずいぶんと困っていた彼女だが、結婚も出産もこれでやり遂げた。今までの苦労が報われたし、本来な…

風評被害

親切な人もいるものだ。匿名だけれど母の痴呆を心配してくれている。息子が二人近くに住んでいながら、非情なのではと言う言外の声も聞こえた。僕はひたすら親切を感謝する言葉を連発した。全くの部外者に対してそれ以上の答えは出来ない。 その女性は声から…

ニアミス

危ないところだった。ニアミスもいいところだ。 旦那の方が出て行ってから、10分と経っていないのではないか、元奥さんが入ってきたのは。旦那は僕の友人、奥さんは漢方薬大好き人間。どちらとも縁が深くて、どちらも嫌いでないから、もし鉢合わせでもした…

順列

犬も歩けば暑さにあたる。モコは数日間食べたものを吐いている。獣医さんに診てもらうと明らかな原因はないらしい。暑気あたりだろうか。人間も気張ってないとぶっ倒れそうだから、犬も同じだろう。 今朝テーブルの上でコーヒーを妻から受け取ろうとしたとき…

ラッパ

音程のはずれたラッパの音は、遠慮がちに吹いてた季節から解放されて、校舎を越え、道路を越えて夏の太陽の光と共に、汗ばんだ働き人のTシャツの上に落ちてくる。低学年が高学年に追いつく音か、秋の運動会にお披露目する音か、とくに低音が空腹のお腹に共…

こだわり

いつもと変わらぬ甘えん坊のような話し方なので尋ねてみた。「自分、放射能のこと少しは気にしているの?」と。すると彼女は「全然。牛肉も今安いから食べてますよ」とあっけらかんとしたものだ。「今がチャンスだもんね」と僕もこうなればやけくそで応じた…

名人

僕は彼女のことを謙遜名人だと思っている。時々視線を合わせ照れ笑いを浮かべ、自虐的な言葉を連発する。まずお世辞などは決して口にしない僕が心底褒めても同じだ。しかし大切なことは彼女が慇懃ではないってことだ。また、いっさいの演出もしないってこと…

風物詩

今日、僕は熱心な伊勢神宮。学生で牛窓を離れていた10年間以外欠かさずお神楽を迎え入れている。それもかなり熱心に。夏の自身の風物詩と幼き日の想い出を呼び起こすものが一体何か実は知らなくて、先ほど伊勢神宮のホームページを開いてみて初めて明確に…

二回り

屈強な漁師が入ってきて「フラフラするから血圧を測って」と言う。この暑い時期は深夜から漁に出て、朝方に帰りそれから睡眠を取る。そんな暮らしをしていれば血圧も上がってフラフラもするだろうと自分では思っているらしい。ところが血圧を測るといつも通…

危惧

なでしこジャパンの凱旋を見ていてすごく気になっていたことがある。ほとんどアマ集団がなしえた業績をマスコミが金儲けに使って彼女達のモチべーションを奪ってしまうのではないかと言うことだ。案の定、スポーツウーマンの集団に対して、馬鹿司会者などが…

危険

朝からもっぱらの話題は「台風が来なくて良かったね」だ。何人の方と同じフレーズで会話しただろう。この話題に触れない人は数えるくらいだ。それだけ何年か前の台風被害がトラウマになっているのだろう。僕も深夜、母の家に入ってきた1メートルを優に超え…

なでしこジャパン

詳しくは知らなかったのだが、なでしこジャパンというのは、ほとんどアマチュアと言ってもいいくらいなのだそうだ。有名な澤選手などはプロ契約なのだろうがそれでも収入は月30万円くらいなのだそうだ。そう言った人達が良く頑張ってワールドカップを制し…

助言

薬剤師らしい品のある助言が出来たと思う。 二人の幼いお子さんを連れたある若いお母さんがいつもの漢方薬を取りに来て、漢方薬とは別の相談に乗って欲しいと頼まれた。勿論、何でも屋の僕は喜んで応じたが、運の悪いことに、同じような小さなお子さん連れの…

写真

メールに添付された写真を見て唖然としている。70年前のマスコミがそうだったように、現代のマスコミの無能さもまた負けていない。真実を伝える気概がないのか、知能がないのか、スポンサーしか実は見ていないことの現れか、権力が恐いのか、いずれにして…

スイカ

「今スイカを出荷しているんじゃけれど、捨てるやつを取りに来る?」なんとも奇妙なせりふだが、「すぐ行く」と答える僕はもっと奇妙かもしれない。捨てるスイカでも恐らく見かけで売り物にならないだけだろうからこちらにしては関係ない。甘くて棚が落ちて…

嘗て少女はその光景を見ることに耐えられなかった。1年後、同じ光景を少女は希望を持って見ることが出来るようになった。お母さんが教えてくれた。 夕暮れ時、地方の小さな駅から下りてくる学生の集団。恐らくお喋りや歓声と一緒だろう。学校に行けない少女…

あまりの暑さに、早く開けた梅雨を恨む声ばかりを聞くが、この男性の言葉は違っていた。大したことを言ったわけでもないが、見かけに似合わない繊細さをもっているんだと意外だった。 「今年は梅雨が明けても蝉が鳴かないじゃろう、例年なら梅雨が明けたらう…

扇風機

瀬戸の夕凪で有名な町でも、時には心地よい風も吹く。今日はそう言った珍しい夏の1日だ。朝から風が吹いていたので、事務所の窓を開放した。するとスイッチを入れていないのに、窓際に置いてあったおもちゃのような扇風機が勢いよく回りだした。むき出しの…

乗り過ごしかけたから慌ててバスの運転手さんに止めてもらって降り立ったら、丁度縁石の上で思い切り膝をねじってしまったらしい。大の大人が大きな声をあげてしまったらしいが、無慈悲にもバスは行ってしまった。よくあることもこんな落ちが付いたらたまら…

マムシ

今日も過敏性腸症候群の辛い症状を抱えて、受験勉強どころでない地獄の時間を過ごしている多くの受験生がいるだろう。関東地方のあるお母さんとのメールのやりとりのほんの一部だが紹介する。大学に入れば分かってもらえるが、高校時代のあのなんとも言えな…

宿泊施設

こういった効果の判定方法もあるのかと思った。 過敏性腸症候群で悩んでいるある女性が、2年前に沖縄旅行をした。つい1週間前にも同じ沖縄に行った。条件が異なるのは、当時は僕の漢方薬を飲んでいなかったが、この1年くらい真面目に飲んでいるってことだ…

お墓にひなんします

「このたび3月11日のじしんとつなみでたいへんなのに 原発事故でちかくの人達がひなんめいれいで 3月18日家のかぞくも群馬の方につれてゆかれました 私は相馬市の娘○○(名前)いるので3月17日にひなんさせられました たいちょうくずし入院させられ…

基準

昔ならあり得なかったような気がする。医師や歯科医師は自民党の長期政権の元でいい目をしてきたから、政府のことを彼らの前で批判するのははばかれた。だから学校保健委員会で医師や歯科医と同席してもその種の話題は出さなかった。しかし、昨日原子力発電…

おかげ

僕より身長が少し高い。恰幅は格段にあちら様の方がいい。姿勢もあちらの方がいい。背筋がピンと伸びている。大きな体がほんの少しばかりビニール袋に入れた野菜を持ってきてくれた。無造作にカウンターの上に置いて、「わしが作ったんじゃから食べて」と言…

「昨日この辺りも雨が激しかったかな?」と尋ねられて「激しいとは言えないのではないかな、雷も鳴ったけれど、大粒の雨とは言えないだろうね」と答えた。基準が分からないから曖昧な答えをしたのだが、「滝のように道路を水が流れたよ」と言われると、たい…

共食い

せっかくのお土産だが、これでは共食いになる。 ある若いお母さんが念願の福山雅治のコンサートに行って来て、お土産を持っていつもの漢方薬を取りに来た。2つくれたお土産のうちの一つが「追憶の飴」というタイトルと共に彼の上半身の写真が印刷された飴だ…

女優

かかとの荒れを治したい理由が、結婚式に出席するときに夏用のサンダルを履くから他の人に見えてしまうと言う心配からだった。50歳を回っているのにそんなもの放っておけばよいと思ったが、そこは本来的に優しい僕だからそんなことは言わない。「かかとな…

救急車

牛窓の外れにある三叉路を過ぎるときに、救急車が僕の進行方向の左からやって来ていることに気がついた。交差点を通り過ぎて路肩が広いところを捜して待機し、やり過ごすことにした。岡山方面に向かっている僕だから救急車も必ず追いかけてくると思ったのだ…

一体何処に隠れていたものが出てきてこんなに繁殖したのだろうと思う。それともどこからか胞子が降ってきたのだろうか。 テニスコートの柵の内側1メートル近く、角になると2メートルくらいが黒い苔に被われている。梅雨が始まってから次第に柵の下あたりか…