2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

カラスに勝った

ついにカラスに勝った。この10日くらい、毎朝カラスと戦っていた。向こうは羽根を持って飛ぶことが出来るので、鳥とは言え、戦いにおいて妙に劣等感を感じていた。ツバメの巣の下で、棒を振りまわして電信柱の上のカラスを威嚇したり、手をたたいて早朝か…

運動会

中学校から運動会の案内がきた。昨年、岡山県で国体があったせいで、秋に行われていたものが春になり、今年も春に行われるらしい。春に行うことに何か都合のよいことがあるのだろうか。 その案内を見ていて遥か何10年前のことを思い出した。気持ちの上では…

勘違い

何を勘違いしていたのか、今朝薬剤師会の勉強会の会場を間違えてしまった。会場に着いてもひどく静かで、なんとなく違和感を持ったのだが、施設の受付の人が違う会場を教えてくれた。そこから数百メートルのところに行ってみると、なるほど大きな大会が催さ…

松坂牛

まるで僕が襲われているかのように、カラスの泣き声で目が覚める。チキンチキンとツバメが威嚇しながら飛びまわるが、カラスには何の妨げにもならない。もう巣立つばかりに成長したツバメの子は、カラスにとっては松坂牛並のご馳走なのだろう。大きな目玉の…

無知の知

僕が毎週見舞っているその人の主治医が、その人に10歳から15歳若いですねと言ってくれたそうだ。そのことをお嬢さんが今日教えてくれた。医者が驚いているそうだ。もう80歳に手が届くかどうかくらいだから、60歳代半ばということになる。抗がん剤を3クール…

チャプリン

チャングムの誓いの主演女優のイ・ヨンエが、女優を志した理由は、チャプリンの「モダンタイムズ」を観た事によるらしい。「映画の中に、涙あり笑いありで悲劇と喜劇が共存して、余韻と豊なヒューマニティーが感じられる」とは彼女の弁だ。18歳の時に観たら…

笑い声

今日、山陰からとても可愛いお嬢さんが遊びに来てくれていて、今2階でお風呂の用意をしてくれているみたいだ。今年に入ってから次々と訪ねてくれるが、その度にご両親の愛情を感じる。こんな物欲の時代に、よく心を育てたなと感心する。決して強くはないけれ…

身の丈

生活がすさんで、一気に駆け下りていく人を見た。酒と博打で身を持ち崩し、家族に捨てられ仲間に捨てられ、世間に捨てられる。テレビドラマを再現しているかのような光景が、体温を感じられるようなところで進行する。道徳の欠如は、病気の範疇に入るのでは…

香のかおり

今日、ある宗教団体の婦人部の集いで漢方薬について話してきた。僕はかたぐるしいのは嫌いだから、最初から薬局の日常の延長をそのままやった。おかげで、婦人部の方も早く打ち解けて下さって、5分もしないうちにどんどん質問が飛んできた。一杯話しを聞い…

未完の命

子供の首をしめること、車で跳ねて苦しんでいる子を放置すること。どこまでこの社会は落ちていくのだろう。この世に産み落とされるだけでは人間になれない。母に愛され、父に愛され、祖父母、おじ、おば、近所の住人に愛されてはじめて人間になれる。どの部…

社会の呼吸

ついこの間、薬局を新築したと思っていたのにもう20年近く経っていた。駐車場に埋めてあるマンフォールの蓋が腐食して危険だと指摘されて工事を依頼した。今朝から工事が始まったのだが、コンクリートを掘削機?ドリル?(正確な名前を知らない)で砕いてい…

アナログ

今日、ある製薬会社のセールスがきて、資料をメールで送りますからアドレスを教えて下さいと頼まれた。僕はアドレスを調べるのが面倒だったので、FAXで送ってと言った。すると彼は、不思議そうな顔をして、先生はITが好きそうで何でも取り入れているよ…

原稿

来週の月曜日に漢方の講演をするために、ちょっと真面目に原稿を書いた。原稿通りにやったことはないのだが、今回はチョットだけ知的にやってみようかと思っている。 人を、およそ8種類に分類して、各々のグループの性格や病気になりやすさなどを特徴として…

悲しいニュース

人生の最期がこれではあまりにも悲しい。連日、介護疲れの悲しいニュースが絶えない。もう老人の域に達している子が、親を殺す。そして自分も死ぬ。或いは自死を試みる。背後には必ずと言っていいほどの経済的な破綻がある。お金を追い求めて様々な犯罪や人…

ワールドカップ

Jリーグが好きなわけでもないのに、ワールドカップの人選には幾分か興味があった。素人ながらに久保の体調が悪いのは分かっていたから、彼が選ばれるのはないだろうと思っていた。案の定彼は落選し巻が滑り込んだ。 人選にこんなに興味がもたれるのは、見て…

死んでこそ生きる

視力を失った女性に、恋人が移植をしてあげようと申し出た。2つあるのだから、1つを譲って、二人とも見えるようになればいいと彼は考えた。しかし、彼女はその申し出を断わった。彼女は視力を失ってから、とても聴力が発達して、今まで聞こえなかったよう…

振舞い

どうして君はそんなに陽気に振舞うんだ。そんなに楽しそうに振舞われると、僕の勘が鈍ってしまうではないか。何年も体調が悪くて苦しんで、青春の一番輝く時を涙で濡らし続けているはずなのに。僕は君の正直な心のあり様を知りたいし、痛みには顔をゆがめて…

嗅覚

TBSの5月9日放送の番組の中で紹介された「白インゲン豆ダイエット法」なるものを試みて、650人の人が何らかの不都合を生じて苦情を寄せたらしい。専門家によると成分の「レクチン」というものが加熱不充分の状態で残り、胃腸粘膜に炎症を起こし嘔吐…

欲望のがま口

僕より1つだけ年上なのに、彼には自分の歯がない。歯で押し出されている唇が一般的で見なれているから、唇が落ちこんでいる容貌は、随分歳を取って見える。ほとんど独身に近い生活を送ってきているので、食事はほとんど外食。それも大の野菜嫌い。ヘビース…

中庸

ワンマン、独り善がり、職人気質、自我自賛。どの言葉を冠につけてもピッタシだったその男性は、僕の前で懸命に僕の言葉についてこようとするが、どのくらい理解できているのか怪しい。本当にちょっと前まで、鼻につくくらい自信に満ちていたが、今はその面…

荒川静香

荒川静香が多くの人に支持され、逆にほとんどの人が批判しないのは、彼女の権威に媚びない凛とした姿だ。毎日マスコミに出てくる世に言う肩書を持った人々が、マスコミにうまくのせられ自分を見失い、やがて使い古されるのを目撃する。政治家しかり、弁護士…

老いる事とは

同じニュースの中で、2つの衝撃的な健康に関する話題が取り上げられていた。沢山の方が見ているのではないかと思う。僕は職業的にずっと以前から知っていることだが、NHKで大きく取り上げられた意義は大きい。 1つは、メタボリックシンドロームが、男性…

今日は珍しく霧が深く、すぐ目の前に浮かぶ島も全く見えなかった。ゴールデンウイークの最終日も雨と霧のため人影は海岸線にもなかった。フェリーは止まっているのだろう、乗り場で待つ車の姿もなかった。 がんで入院している人を見舞った。見舞ったところに…

おり

老人会の集まりがあると、母は決まって、食べ残しをおりに詰めて持って帰る。それを僕のところに持ってきてくれる。食べ残しと言うより、ほとんど手をつけないと言った方がよいかもしれない。たまにはビールもついている。おりと一緒に配られるらしいが、母…

引き出し

僕の相談机の上には、未だ目を通していない情報誌が常に数センチの高さに積まれている。毎日の様に届く薬の情報の全てに目を通したいのだが、なかなかそれは難しく遅れ遅れになっている。連休を利用してなんとか追いつきたいと思っていたが、2冊を残してし…

抗不安薬

製薬会社グラクソ・スミスクラインの調査によると、不安な気持ちを和らげる効果がある「抗不安薬」を服用している人のうち、継続服用期間が10年以上に及ぶ人が11%、5~9年も22%に及ぶことが分かった。この薬は止めにくくなる「依存性」が指摘され…

追っかけ

ゴールデンウィークの影響か、薬局の前を通る車の数は多いが、バブルの頃のように喧騒が薬局の中にまで乱入してくることはない。どうしても今日しか来れない人の為に薬局を開けてのんびりと、世間の時の流れと隔絶している。 今月末、あるグループに頼まれて…

有銭無罪 無銭有罪

飢えて寒かったから、ついおにぎりを盗んでしまった。この瞬間を凌げればいいと思った。もう何回もやってしまった。人を傷つけるのは苦手だから、暴力は振るわないし、脅しもしない。いつ捕まるのかと怯えながら、痙攣する食道を鵜のように上下させた。食べ…

カボチャの苗

母の家は、勿論僕が生まれ育った家だが、一昨年の台風で浸水し、老朽化に追い討ちがかかり、昨年一部を残して解体した。跡地は結構広くて、遊ばせていたのだが、母が何か野菜でも作れたらと鍬で耕し始めた。商店街の中にあり、100年以上建物を支えていた土地…