笑い声

今日、山陰からとても可愛いお嬢さんが遊びに来てくれていて、今2階でお風呂の用意をしてくれているみたいだ。今年に入ってから次々と訪ねてくれるが、その度にご両親の愛情を感じる。こんな物欲の時代に、よく心を育てたなと感心する。決して強くはないけれど、人を傷つけずに懸命に生きている姿は美しい。  母を送るついでに、夜の港を案内した。瀬戸内海は山陰の海に比べれば鏡のように映るかもしれない。穏やかな気候に恵まれすぎて、人に優しくなれない風土と言われている。なるほど彼女の笑い声は、心の奥底まで解放していて、中国山地の北側に住む人達の心の豊さを感じさせられる。自然を壊したぶんだけ心を侵食され、自然を残したぶんだけ穏やかさを残している。  人と接する仕事がしたいと思い、実際その仕事に従事して楽しいと言う彼女にエールを送りたい。よい心で接すれば、よい心を分けて上げられる。お金では絶対手にいれることが出来ないものを彼女は分かち合える。この国の精神を底流で支えているものは決して脚光を浴びることはないが、それなくしてはこの国を誇ることは出来ない。