2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

目標

関東から突然来てくれた女性と話をしているときに、その女性と全く同じトラブルの女性が入ってきた。偶然県内の女性で何回も薬を取りに来ているので、親しみが沸いて我が家の中では珍しく○○ちゃんと名前で呼ぶ。 その○○ちゃんがとても嬉しそうな顔をして入っ…

老婆

実際にあったこと。90年代、韓国である交通事故があり、2人が死亡し数人がけがをした。加害者は服役した。出所後その加害者を、事故で孫を失ったおばあさんが養子に迎えたそうだ。当時韓国では奇跡が起こったと言っていたらしい。人を許すことほど難しい…

挨拶

日曜日の朝、9時前だったと思う。犬を連れてテニスコートの傍を通りかかった。日曜日だというのに、青のおそろいのジャージを着た男子中学生がテニスをやっていた。部活動なのだろう、コートから溢れた学生達が張り巡られたネットの近くで素振りをしていた…

ゴールデンウィーク

ニュース番組の中で、ゴールデンウイークが始まってなどと言っているのを聞いて、そうなのかと思った。全く意識の中になかった。昨年は、人並みに連休を全て休んで、旅行などと考えて、連休初日に家を出た。1日目だけ岐阜のホテルを予約して、後は気の向く…

お母さんへ

あるお母さんへの返信 高2の古文の時間、本読み中に、突然声が震え出しました。それまで僕はどちらかと言えば人前が得意だったのです。岡山の高校に下宿して通い出し、高2の時にミス操山(高校の名前)と同じクラスになりました。それで、いいところを見せ…

英会話

薬局の前に中学校がある。毎夕5時に校内放送で下校を促している。生徒が放送するのだが、新学期から日本語放送の後、英語で繰り返している。いや、断言は出来ない。英語で言っていることが分からないから、繰り返しているってのは単なる想像だ。 ネイティブ…

頭寒足熱

頭寒足熱。昔の人が言った言葉だが、現代でも当てはまる的を得た表現だ。心臓はまず上に向かって血液を送り出す。だから首から上や上半身は血液の循環がよい。逆に下半身は、足の筋肉ポンプで血液を心臓まで戻さなければならない。だからどうしても血液循環…

青春

僕は青年が 帰っていく後ろ姿を見て、何十年も前の自分の姿を重ねた。自分の後ろ姿は見ることは出来ないが、恐らく肩を落とし、少しうつむき加減で歩幅も狭かったと思う。胸を張って大股で闊歩する自信に溢れた姿など想像できない。青春時代、何か希望を持っ…

目を閉じていても眼瞼を透過する光の量で朝の位置が分かる。身体がまだ倦怠を引きずっていて、1日を始める決意に戸惑う。カン、カンとガラスとガラスが接触して音を出す。近所のおばさん達のゆっくりとした会話も聞こえる。今日は1ヶ月に1度のガラスゴミ…

散髪

学生時代、5年間散髪をしなかった。その癖で、牛窓に帰ってもちょっと格式を問われる会合に出席するのに合わせてしか散髪はしない。髪型を理髪店で指示したりお願いしたこともない。シェフにお任せ状態だ。椅子に座ってから出来上がるまでほとんど目を閉じ…

溜飲

今日のミサの中で神父様の言葉が、長年の溜飲を下げてくれたような気がした。 インドのガンジーが昔「キリストは尊敬するが、クリスチャンは嫌いだ」と言ったそうだ。理由は、クリスチャンがキリストを崇めながら、キリストに近づく努力をしないからだそうだ…

間合い

「体調も良くなったけれど、漢方薬で綺麗になったのではないの」と半分冗談、半分本気で言った。突然恋人にもうこれまでと宣告された彼女に、そんな男はだめだから(経過を聞いた上でのこと)別れ話を切り出されのは幸運だと以前言っていた。その後再挑戦し…

手ぶら

今日、中部地方から訪ねてきてくれた青年は、何の荷物も持っていなかった。帰りにはさすがに薬を持って帰らなければならなかったので、紙袋を持つことになったが、手ぶらは、嘗ての僕たちによく似ていた。ジーパンにTシャツ、運動靴。ただそれだけでどこに…

健康

肝に銘じていることがある。この夏は、冷たいものを飲み過ぎない。窓を開けたまま眠らない。この二つだ。去年体調を崩した遠因は恐らくこの二つだ。1ヶ月以上不快な日々を過ごしたが、のど元過ぎて熱さ忘れる状態にあることにふと気付き、時折自分を戒めて…

「似なくてもいいところばかり似る」とは、言い古された言葉だが、似て欲しい所などないから仕方ない。可哀相な気もするが、全て自分の個性として付き合ってもらうしかしょうがない。 娘が薬局製剤という本に従って、水虫の薬を作った。主成分の粉薬を仕入れ…

最初初めて会った時、この子を治せば過敏性腸症候群なんて全員治せると思った。関東から2回訪ねてきて、3回目を迷っている間に治ってしまった。今頃どうしているんだろうと妻と話していると、1年ぶりのメールが突然入ってきた。 当時、JRの深夜便で乗客…

夜景

あれから1年になる。去年の連休に、薬を送っている中部地方の人達に会うことと、先輩に会うことを兼ねて岐阜に行った。不意打ちを食らわしてやろうと思ったのでビジネスホテルを予約しておいた。予約しておいて良かった。泊まれとは言わなかったから。言わ…

人が死ぬ前に後悔することに、およそ3つのことがあり、施しをしなかったこと、耐えなかったこと、幸せでなかったことだそうだ。これを聞いてなるほどなと思った。僕も年齢と共におぼろげながら感じるようになってきたものばかりだから。 何事も簡単に手に入…

いいこと

綺麗にお化粧をしているから、一瞬目を疑った。大きな紙袋からお土産を取り出した。僕が甘党だと言うことも知っているし、和菓子より洋菓子が好きなのを知っているから、当然洋菓子だった。それを確かめてからお礼を言った。 数年前最初に来たとき、彼女の希…

喝采

20年前、町内にバレーボールのスポーツ少年団を作った。仕事柄それに没頭できないのでコーチとしていつも補佐をしていた。熱心な指導者がいて彼が監督をずっとやってくれている。年度によってずいぶん差はあるが、素質がある子供達が揃ったときには田舎町…

天性

股関節を患っている方は、幼い時からずっとの方が多い。若い時は筋力も柔軟性もあるから、それほど困らない方もあるが、それでも運動をするのはハンディーがある。大人になるにつけ、不快症状は増し、痛みと同居しなければならなくなる。 もう3年くらい僕の…

思い込み

ある薬が、縦15cm、横30cm、奥行き20cmくらいの箱に入っている。希望者に、希望の日数分分けるようにしている。必要なだけ手にはいるので結構好評だ。必要もないのに、大入りを売りつけられてはかなわないだろうから、親切で始めた。意外とそれ…

不安

季節の変わり目で、体調や心を乱している人が多く、悲鳴が伝わってくる。もれなく元気になって欲しいと心から思うが、自分の非力さがうらめしい。 見渡せば、何の健康不安もないがごとく人々は行き来する。自分だけが選ばれてこんなに不調なのかと、独り涙す…

臆病

まだ見ぬ貴女に 僕は高校時代、古文の時間に突然声が震えだし、僅か1ページの本読みが永遠の時間の長さのように感じました。それ以来本読みが当たりそうな授業は全部、そっと校門から抜け出ていました。高2の時です。僕もあなたと同じように浪人しました。…

無言電話

漢方の研究会の帰りに、あるスーパーに寄った。丁度夕食の買い出しの時間だったのか沢山の人が買い物をしていた。その時間帯にスーパーに寄るようなことがないので、こんなに人が集まるのかと感心した。 いくつものレジがあり並びかけるのだが、どのレジにも…

受動喫煙

ガンや循環器系の疾患ならいざ知らず、糖尿病にも受動喫煙は関係しているらしい。受動喫煙が起こりうる環境にいる人は、そうでない人に比べて1.8倍糖尿病になる確率が高いらしい。この情報を目にして「良かった」と胸をなで下ろした。 たばこを止めてもう…

終点

新しいページを捲るのは、若者の特権。僕ら世代にはそのチャンスも少ないし、好奇心も弱い。おまけに決断力にもかけ、なかなか一歩を踏み出せない。新たなステップに死にものぐるいで挑戦した人達から、近況が入る。 洗練されているように振る舞う必要はない…

菖蒲

濁って何も見えない小さな庭の池から、数十本の菖蒲が凛として背筋を伸ばしていた。沈殿したヘドロから命がまっすぐと育っている。主の手が加わらなくなった家の前の畑には、菜の花が鮮やかに存在を誇示し、大根がやせ細ってもなお生きようとしていた。陽光…

一秒

嬉しい知らせが届いた。いつものように短い文章だが、喜びは十分伝わってくる。十月十日、よく頑張ったと思う。お母さんになるべく少しずつたくましくなっていった。関西人のシャイの典型みたいで、斜に構えながらもちゃんと物事を見ていた。 僕は1人の女性…

教科書

いやはや誰にも悩みはあるものだ。世間的には何不自由ないと言うよりも、恵まれすぎくらいに見える人が、昨夜電話の向こうで話し続けた。話すことでストレスを幾分か捨てようと思ったのだろうが、幾分どころかかなり捨てれたのではないかと思う。こちらにず…