終点

 新しいページを捲るのは、若者の特権。僕ら世代にはそのチャンスも少ないし、好奇心も弱い。おまけに決断力にもかけ、なかなか一歩を踏み出せない。新たなステップに死にものぐるいで挑戦した人達から、近況が入る。  洗練されているように振る舞う必要はない。ばた臭く、まるで田舎者のように、振る舞えばいい。化粧はしなくてもいい、流行は追わなくてもいい、うさん臭いものは知らなくていい。  友情は育んだ方がいい。人生の友を1人か2人見つけるといい。見つけたら、弱みを全部さらけ出し、500円くらい貸したらいい。どこに行くにも一緒に行って、捕まらない程度のいたずらをし、誉められない程度の善行をすればいい。  強いものは信じないのがいい。強いられればへりくだって、チャンスを待てばいい。弱いものは信じてやるのがいい。だまされるほど信じ切ってやるのがいい。水は岩を削ることは出来るが、岩は水を削れない。  春は希望ではない。単なる変化だ。力まないのがいい。所詮4つの季節のうちの一つに過ぎない。乗り遅れたってバスは又来る。終点のないバスは又来る。