2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

朝陽

朝陽を正面に受けた。視界は黄金色に輪郭され、中心部ば存在を許されない。朝陽を拝む人がいる。何かの力を感じ、何かのおかげを期待しているのだろう。沈む陽に比べてエネルギーを感じ、確かに体温を上げてくれるような気がした。 三々五々、中学生が早朝練…

マラソン大会

大きなマラソン大会に出場する選手の母親が、栄養剤を買いに来た。大会まで飲ませるらしい。ドーピングに引っかかるかどうかを調べて、ある液体の薬をことづけた。1週間前のことだ。今日は、その日に飲むといい栄養剤を2本買いに来た。ドーピングには引っ…

ゴミ

現代なら、考えられもしないし許されもしない。 毎日家で出来たゴミは、母や祖母が海岸に持っていき、岸壁の上から海に投げ捨てていた。近所の人が捨てる場所は決まっていたから、自ずとそのあたりは盛り上がり干潮のときは小さな古墳のようになっていた。掘…

御神輿

昼下がり、誰もいないテニスコートの周りを30分くらいひとりで歩き続けた。太陽の下にこんなに長くいることは珍しい。県道をチョイサチョイサと御神輿が若者達に担がれて通り過ぎるのを見送った。恐らく担ぎ手の誰もが何を奉って何を祈っているのか知らな…

秋祭り

祭り囃子が 届かぬ里に 荒廃した精神が 低く漂う 見慣れた景色に 瞼を閉じれば ああ、嗅覚に 幼き日々が エイと駆け出す 人が去り 山が去り 時が去る だんじりは許されることもなく 行き場のない明日を引きずり 闇の中でもなお闇になれないでいる 太鼓でもな…

修学旅行

関東のある高校生が、外国に修学旅行に行けた。そして充分楽しんできてくれたらしい。学校へ行くと腹痛がするという青春前期にはよくあるトラブルだが、昼食も食べれるようになったらしいから完治が近いのかもしれない。報告のメールを読んであの頃を思い出…

サーカス

その豪快さはいったい何なんだろう。2週間ごとに二人連れの女性が漢方薬を取りにくる。遺伝的に立派な素質を二人とも受け継いでいて、発症は時間の問題だと思う。それを解決するのが僕の仕事かと思ったが違っていて、それぞれの今、直面している症状をとれ…

涙雨

雨を見たのはいつからか 雨に当たったのはいつからか 鏡の中を往来する車は 水しぶきをけたたましく上げながら 日常を満載して 朝を走り抜けていく 行き場を失った烏は 残飯を横目に鳴き声だけを残して飛び去る 関西の心を持った義兄が 関東の地で暮らし関東…

突然の訪問者

土曜日には、遠路よく来てくれたね。といっても、あなたは珍しく県内の人だからその気になれば毎日だってこれますね。あの日僕は、あなたも見ていたように解熱薬と強心薬と栄養剤を飲んで何とか1時間は持ったのですが、あれが限界でした。結局あの後2日間…

埼玉県の青年へ

埼玉県の青年が、信州の山並みをドライブしたときの写真を送ってきてくれた。高い山から麓を写したものと、新車と後ろ向きの青年が写った写真が2枚。新しい車には初心者マークが貼られていた。メールで送ってくれた風景も美しかったが、写真の鮮明さにも驚…

直立不動

先日母のアッシー君で里に行ったとき、いとこの子のお嫁さんから、僕のブログを読んでいる同僚がいると聞かされた。その方は、偶然だけど僕の名字を屋号にしたような名前の方らしく、ある医療機関で働いている。偶然僕の息子もそこで働いているので、好奇心…

ジャズ

僕が仕事中にBGMとしてジャズをしばしばかけているのを若いあるセールスマンが気がついて数枚ジャズのCDをやいてきてくれた。昨日くれたのだが今日はその数枚を流しながら仕事をした。ジャズがわかるって言葉を耳にするが、その範疇で言うならさっぱり…

がむしゃら

7年前まで8年間、僕の薬局を担当していた大手製薬会社のセールスが久々にやって来た。その間山口県を回っていたらしい。一目見てすぐ彼だと分かり、久しぶりと挨拶したのだけれど、凄く老けたように見えた。学生時代サッカーをやっていた彼だから、15年…

姉と弟

たまにこう言った光景に出会うから、人間を信頼できる。兵庫県から隔週で漢方薬を取りに来る夫婦は、もとはといえば県内のある老婦人の紹介だ。老婦人は男性のお姉さんにあたり、年は10歳は離れている。かくしゃくとした男性に比べて老婦人は、背も曲がりか…

散髪屋さん

その店に入って1分も経たないうちに後悔した。大きなスーパーの中にある散髪屋さんを覗いたら、お客さんが一人散髪中だった。もう一人のスタッフは腰掛けて新聞を読んでいたから待たずにやってもらえると思った。案の定待つ必要はなかったが、手で腰掛ける…

Oへの手紙

なにかを解決する為に、何かを引きうけてしまうことは往々にしてあることですね。 エネルギーの保存則に似ているかもしれませんね。古来からの教えにも通ずるところ があります。なにかを得るためには何かを棄てなければならないときもあります。積極的な行…

幸せ

なんとなく以前より表情が明るく思えたので「幸せ?」て尋ねてみた。しばらく間があいたが、「幸せ」て返事が返ってきた。そのしばらくの間に果たして何を思い浮かべどう判断したのか知らないが、とりあえず幸せって言う判断に落ちついたのはよかった。正直…

逆転

ここまで機械音痴だと、もう逆転して弱点が強みになっているかもしれない。 古いパソコンが寿命らしくて、診察をお願いした市の商工会の方の診断はもうホスピスの段階らしい。その方の助言でノートパソコンを購入したら、安売りの最終日に偶然間に合って、僕…

この辺りでは余り見かけない大きな灰色をした鳥が、西の空を目指してゆっくりと飛んでいった。2羽が並んで飛んでいった。夕方だから巣に帰っているのだろうか。滅多に見た事がないくらい大きかったので、近隣にすんでいればすぐ分かりそうだ。遠くにすんで…

渓流

若い女性が、大山の渓流を腰まで浸かって上流へ登って行き、魚を釣っている姿は想像できない。いや、その辺りの知識が全くない僕には男性のその姿も思い浮かばない。原画がないのだ。さしずめアユの解禁の時にニュースで流されるお決まりの光景くらいが関の…

居場所

田舎の小さな薬局なのに、1日中働いている。4人でやっているが、何故か働きつづけている。昔みたいに、ゆっくりと雑談をしに来てくれる人も今はほとんどいない。外国の人に日本語を教える時間くらいが、嘗てののんびりとした僕の薬局を思い出させる。病院…

違和感

違和感を感じているのは僕だけなのだろうか。 最近は違和感を通りこして、不愉快になっている。どう見ても必要のない人間を数多く集めて、世間話程度の内容でテレビ番組を作っているのが目に付く。製作者の能力が下がっていて、よくその程度の番組を買ってく…