2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

回転

まあ、器用に4本の足をもつれさせずに走るものだ。 早朝、まず人が来ないからテニスコートの中でミニチュアダックスの首輪をはずして自由にしてやった。さしずめ、もぐりのドッグランだ。犬でも解放されると嬉しそうで、一瞬いいのかなと言う顔をしたがすぐ…

財産

今日、意外なところで父の話を聞いた。 まだ漢方薬を覚えたての頃、B型肝炎で不調な青年を何年もお世話したことがある。今日ある方を見舞いに行ったとき、ちょうどその人の母親が来ていて、その節はお世話になりましたとお礼を言われた。もう完全に頭から抜…

携帯電話

携帯電話を持ったことがないから、その便利さも分からないし、持ってないことの不便さも分からない。回りで持っていない人を捜す方が難しい中にあって、未だ欲しいとも思わない。便利を競って目の当たりにさせてもらっても僕の生活のどの部分で必要なのだろ…

ある人にメールの返事を書いていて思いついたのだが、人の役に立つ方法って大きく分けると2つに別れるのではないかと思った。 本来活動的な人は、行動やその結果で役に立つ。大きな事を為し遂げて、沢山の人の役に立つ人もいるだろう。上は国家レベルから下…

紫雲膏

毎年この時期になると、紫雲膏と言う漢方薬の外用剤を作る。しもやけとか、あかぎれとか、冬に多用するものだからこの時期になるのだと思うが、なんだかんだと数時間かかってしまうので億劫でせっぱ詰まって昨日やっと重い腰を上げた。油を使う作業なのでコ…

人情

岡山市の病院にかかり、処方箋はFAXで送ってくる。本人が帰宅する時間を見計らって調剤した薬を持っていってあげるのだが、居たためしがない。妻も色々考えて、時間帯をずらすのだがそれでも空振りが多い。先日はとうとう諦めて薬を置いてきた。するとさ…

勇気

「もう彰ちゃん、終わった」痛みを紛らわせるために、冗談のように言ったと思っていたが、本人には何となく分かっていたのだろう。主治医とペインクリニックの医師が、裂孔ヘルニアと肋間神経痛で意見が分かれていた頃だから、分かっていたのは当事者だけっ…

ドッグラン

初めてその言葉を聞いたのは、数年前のある北海道の女性からのメールの中でだ。前後の意味から推察して勝手に想像をしていたのだが、今日初めて本物のそれを見て驚くことが多かった。ある程度は推察通りだったが、実際には多くの犬が、それも色々な犬種が楽…

僕には関係ない呼びかけだから最初は全く気がつかなかった。息子が教えてくれて、下の孫が僕を呼んでくれたことが分かった。息子は忙しい職業だから、なるべく生活の邪魔をしないように気をつけて会いに行くようなことは控えていた。又僕自身もしなければな…

電動車

長身の青年が入ってきて、慌てているのを必死で隠しながら「電動車で今日紙オムツを買いに来たおじいさんがいませんか?」と尋ねた。1時間以上前に、まさに言われるままの老人が来られたのでその事を言うと、いつ頃帰ったかを尋ねた。もうこの辺りで青年の…

迷い

5月末から過敏性腸症候群のガス漏れタイプの漢方薬を飲んでもらっている女性から悩みを聞いた。この3ヶ月くらい症状が無くなったから仕事につくらしいのだが、好きな販売系にするか、無難に事務系にするか迷っているというのだ。僕はその事を聞いてすぐに…

奇跡

起こりえないから奇跡なのだろうが、奇跡を懸命に願い、ひたすら待っている人は多い。起こりえないことにしか希望を託せない過酷な現実に向き合って、それでもなお奇跡を信じなければならない残酷な状況。背負いきれないものを背中に負って生きる人達。それ…

美談

こんな事が本当にあるのだろうかと思うが、実際に薬局の道路を渡ったところに3匹の猫が数メートル間隔でじっとしているのだから、信じないわけにはいかない。道路からは小さな溝を越えたところだから車にはねられる心配はないが、それにしても飼い主の老人…

滑空

歩きながら何の気もなしに上を向いたのだ。星もない暗い夜だったから、空を見上げる理由もない。何も見えないのだから。ところが何故か僕は見上げた。するとジャンプすると手が届きそうな辺りを大きな鳥が滑空していった。まさに滑空だった。音もなく、ただ…

せせらぎ

何ら統計的な根拠もない全くの主観なのだが、僕は漁師やお百姓が犯罪を起こしたのを余り見たり聞いたりしない。新聞は毎朝30分かけてゆっくり読むし、テレビはニュースのハシゴだから、日々の出来事はかなり知っているが、この2つの職業がいわゆる3面記…

重婚

食卓の上にコンビニ弁当とカップヌードルみたいな容器に入ったアサリのみそ汁が置いてあった。妻が勉強会に出席するから僕のために買っておいてくれたものだが、僕にとっては月に1回の楽しみの一つだ。恐らく食品メーカーの社員が多くの知恵を絞って作り出…

胃痛

痛そうに胃の辺りを押さえている。何も言わなくてもそれで薬を出せる。もっともそんな神業みたいなことはするべきではないので、いつものように質問する。見たことがない人で僕の質問に面食らっていたが、そのうち真剣に答え始めた。潰瘍の経験があるのでは…

サンダル

やっと分かった。何故みんなが健康相談中に僕の足下に視線を落とすのか。 僕が相談者より高い椅子に座るからほとんどの人は見上げる視線なのだが、何故かこの数ヶ月視線を僕の足下にチラチラと落とす人がいる。そして慌てて元に戻し気まずそうな顔をする。見…

メール

巡り巡って昨日頂いたメールだ。何のことはない、毎週日曜日にお会いしている金神父様から発信されたもので、その神父様は韓国にいるシスターから頂いたものだそうだ。それ以前は分からない。そのシスターが始まりかもしれない。頑張って、頑張って心も身体…

痛風

痛風はある遺伝子のせいだということがつい最近分かったみたいだ。今までどのくらいの人に嘘をついたことになるのか。運良くというか実力がないというか、僕の薬局には痛風の人が少なかったからかろうじてダメージは小さくてすんだ。皇帝病だなんて知ったか…

森進一

なかなか面白いことを娘が言った。 往復4時間近くかかるところに新幹線でわざわざ講演を聴きに行ったのだが、鳴り物入りの講師のつまらない講演内容を評価しての感想だ。ある薬を日本一販売するというふれ込みなのだが、何のことはないそのカリスマ性で売っ…

サロンパス

普通の鎮痛薬では効かない人に、ある特殊な鎮静薬が使われることがある。ペインクリニックの専門医がわざわざ病院に来てくれて診察した結果、肋間神経痛だと診断してそう言った薬を処方してくれたそうだ。数日前までは、主治医に裂孔ヘルニアだと診断され、…

防波堤

つい最近書いた「デパス」の時もそうだが、睡眠導入剤(睡眠薬)なんかでも、結構簡単に手にはいるのだろうなと思った。日本の東と西で偶然、それを利用したらしき犯罪を競い合っている。僕らの所には、しばしばメーカーが作った啓蒙書が届き、睡眠薬は安全…

意外

予想も出来ない意外な言葉を聞いた。人の心の中はなかなか見えないものだ。何十年もその逆のことばかり考えてお世話していたのだが。そしてその甲斐あって、結局は一度も病気と言えるようなものを今のところしてもらってはいないのだが。 家が近所と言うこと…

実行力

思わず地図で確認してみた。大きな声で驚きの声を上げてしまったが、何となくきつねにつままれたような感覚は今でもある。 毎月1回、国立病院にかかり、診察を受けたらFAXで処方箋を飛ばしてくる女性がいる。岡山から帰ってくる間に薬を調剤して用意して…

変化

今日はとても嬉しい電話をもらった。有名な野球チームがある都市に住む若い女性からだ。僕はその街に行ったことがないから、そのドームをテレビでしか見たことがないのだが、彼女の電話を受けるたびに、知らない街を想像する。大きな球場から広がる商店街。…

結婚

僕は自分の子供と面と向かって本気で話し合ったことはない。毎日多くの人と話をするから、仕事が終われば無口だったのか、何かを意図的に植え付けるようなことを嫌っていたのか、必要を感じなかったのか、思い出そうにも元々なかった映像は脳裏に浮かばない。…

不満

よその薬局のことは知らないから実際がどのようなものか分からないが、ぼくの薬局は友人同士でくる人が結構いる。遠くの方が多いからか、観光がてらについてくる人が多いのだろうか。病気のことだからプライバシーを守らないといけないが、どのグループも結…

門前払い

光栄だが、僕みたいな現場だけで通用する漢方薬は、他の方、特に東大病院の先生なんかには全く役に立たない。何ら統計的な裏付けがなく、僕の勘と経験だけで飲んでもらっているのだから、応用しようがない。特に病院治療にはかなり高度なデータが求められる…