2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

糾弾

凄いとしか言いようがない。ある妊婦が福島で敢えてお産をするというニュースの中で見かけた産婦人科医院を経営しているお医者さんのことだ。自らの病をおしてと紹介されたから何だろうと思ったら、自身は大腸癌が他の臓器に転移しているらしい。それも数カ…

草根木皮

喘息ではないから呼吸困難はない。ただ、激しいときは数十秒に1回、咳き込むことを8年間続けたらどうだろう。想像しただけでも絶望的になる。咳続けて結果的に8年にもなるのならまだ耐えられるが、これから8年咳きなさいと言われたら果たして耐えること…

神経質

処方せんを持ってきた初老の男性が、薬が出来る間、やたら話しかけてきた。僕は漢方薬の調剤の準備をしていたのだが、彼には暇に見えたのだろう。娘夫婦が彼の調剤をしている間、ずっとほぼ一方通行気味の会話をした。 ただその中で一つだけ興味深い話があっ…

荒野

改革派官僚と言われる古賀さんが役所を去った。出版した本を読んでいないから詳しくは分からないが、いつものように辞めてからマスコミはネタにする。彼が本当に力を発揮したらマスコミも電力業界との癒着を暴かれるから、影響力がなくなってからネタにする…

韓国

ヤマト薬局様 22日から25日まで、韓国に旅行に行っていました。すみません。出発前に処方をお願いすればよかったのですが、バタバタしていて今になりました。 その旅行でのことなのですが、最近日常生活では、少しずつお腹やガス漏れが気にならないよう…

封印

大きなスーパーの駐車場に車を乗り入れた瞬間、正面に警察官が立って行く手を塞いだ。反射的にポケットの上から手を当てて免許証を確認した。この場面でとがめられるとしたら免許証不携帯か僕の人生の後ろめたさくらいしかないから、取り敢えず前者はクリア…

肥満

共通項を捜しても、何一つなさそうな二人なのに同じような人間もいるものだと思った。遠くから来てくれた、若くてまるでモデルのようなスタイルの女性が「食べることに興味がないんです」と言った。古くてまるでプラモデルのようなスタイルの僕が言うのなら…

差し入れ

ありがたい、ありがたい。今日は二人の方に親切にして頂いた。 休み下手なのに意を決して朝からシャッターを開けないでいた。すると9時を過ぎた辺りから数人続けて電話があった。老人の急な紙おむつの在庫切れが2件と漢方薬が丁度切れたって言う電話が2件…

冥利

歯医者さんの待合室で10年ぶりくらいにある女性と会った。その女性がしきりに礼を言ってくれるのだが、普通の人とは観点が違う。お礼の内容は、当時フラフラしていたのを治してあげたことではなく、治れば薬は止めればいいと言ったことに対するお礼だった…

沈黙

毎月、日本薬剤師会から「日薬医薬品情報」と言うのが送られてきて、新たな副作用情報などを教えてもらえる。今月送られてきた冊子の中に「選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の精子特性への影響について」と言う項目があった。難しいタイトルだ…

思考停止

なんという名前だったかな、太野?中野?なんか「野」がつくような感じがしたのだが。あっ、そうだ、きっと嘘野だ。 世界に向かって原子力発電所の事故が冷温停止状態になったと発表した。一体それを心底信じる外国の人がいるのだろうか。政治ショーは誰に向…

青年

「もうお金なんかいらないから漢方薬を持って帰って」と言おうと思った。 嘗ては牛窓に住んでいたらしいが、今は岡山に住んでいる。数年前にある病気を漢方薬で治してもらったから又わざわざ来たと言っていた。ドラッグで薬を買って飲んだらしいが、勿論素人…

我慢

こんなことなら1年以上も我慢しなくて良かった。 僕はウォーキングの時、小型のテープレコーダーをズボンのポケットに入れイヤホーンで聴いている。小型のと言ってもずいぶんと古いものだから結構重たい。バレーをやっていた頃からのスポーツ用のズボンは、…

訪問者

土曜日の朝、NHKの番組で「ぶらり西日本」?と言うのがある。別に好んで観るわけではないが、他の放送局で観るに値する番組がないことで、そこにチャンネルを合わせていることがある。でも見始めると結構、色々な町の風情に興味を持つことが多い。中には…

取り越し苦労

どう考えてもおかしい。僕がインターネットを覗くとしばしば薬剤師の求人の広告が出てくる。表紙にどばっと出てくることもあるし、何かの記事を読んだ後に続いて広告欄があったりする。機械音痴の僕だが、何となく出来過ぎのように感じる。僕の職業がインタ…

哀愁

どう見ても30歳代にしか見えないのに、一瞬親の顔が浮かんで「もう40歳になったのかなあ」と言ってしまった。「いやまだまだ」と笑いながら答えてくれたから後を引かなかったが、失礼なことを言った。十分若くて魅力があることをちゃんと僕も認めている…

落ち葉

彼女はまだ20歳代かな?それとも30歳になったのかな?人が苦手なのか、人が嫌いなのか知らないが、友人は一人もいないと言っていた。現代版友人は、出来るものか作るものか知らないが、僕の場合は前者のパターンしかあり得ない。寧ろ後者のパターンは煩…

保護

田舎には何処にでもあり、田舎にしかないものに防災無線というものがある。田舎という定義が難しいが、都市型でない自然に常に対峙している場所と言った方がいいかもしれない。その防災無線で今日、隣町の老人が朝から行方不明になっていると放送があった。…

喪主

「ワシは人がいいから早く死ぬかもしれん」と、いい人ほど早く死ぬって言い伝えを心配している。父親もお兄さんも共に60歳半ばを待たずに亡くなっているから、まんざら可能性がないわけでもないのだろう。いい人と言えるのかどうか分からないが、以前勤め…

行きも帰りも僕はずっと土手の壁を見続けて運転していたように思う。勿論同じ道を往復したのだから、行きは左側に、帰りは右側に延々と繋がっていた。唯一、川の流れを見ることが出来るのは、小さな川に渡している幾本かの橋に出たときだけだ。瞬間的に川の…

昨夜東北の女性と電話で話をしていて、彼女が新聞の購読を最近やめたと言った。僕もこの数ヶ月いつやめようかと考えていたから同じようなことを考える人がいるものだなあと心強く思った。偶然同じ新聞社のものを長い年月読んでいて、恐らく同じ理由で新聞を…

患者

ある方に連れられて初めて相談にきた方が、次から次へと治してもらいたい所を並べた。紹介してくださった方も病気の多さと服用している薬の多さに驚いていたが、年齢から言ったら仕方ないのかもしれない。その方は机の上に置いてあった僕の薬局で治った人の…

赤点

初めて見るおばあさんが胃薬の名前を言うのだが、どうも聞き覚えがない。いくつかの候補をインターネットで検索してみたが見つからなかった。実は最近こんな方が増えている。僕が帰ってくる前から牛窓で薬局を開いていた方が店を閉められたから、今まで余り…

達成感

こんな達成感はない。 他の薬を求めている人が出入りしている中で、彼女は僕が開いたパソコンの画面をマウスを操作しながら真剣に眺め入っている。その画面から僕が紹介した介護支援センターの情報を懸命に引き出している。僅か1年前には考えられなかった光…

言葉

迷走台風が連れてきたのは、秋の空気。気温も湿度も、ついでに不快指数まで下げて、深い眠りに高い空。 迷走台風が残したものは、このさわやかな日が明日もきっとあると何も疑わずに思っていた人達の無念。誰がこの先1秒後に命を奪われると思うだろう。誰が…

禁じ手

これは禁じ手かもしれないが許してもらおう。今まで二人にしたことだが、どちらの家族にも喜んで頂いているし、本人もずいぶんと楽なそうだから。 ある訴えで訪ねてきて頂いたが、その治療を漢方薬でしている間に、家族からの訴えでこそっと本人にとっては目…

うっちゃり

僕がお世話させてもらっている勉強会に夫婦で来ているのは一組だ。二人は高齢化しているメンバーの中では一際若い。僕の娘が加入する前まではダントツだろう。ただその年齢が世間で若いと評されるかどうかは別だが。二人の特異さは二人とも調剤薬局で働いて…

夕張メロン

「深夜でも開けてあげるよ、夜の10時でこれだけ貰えるんだったら、深夜だと西瓜くらいはかたいな」と、お礼のトマトをもらいながら照れ隠しに言った。 風呂にまさに入ろうとしているときに電話がかかった。ご主人の脈が5つくらい打ったら飛んで、しんどい…

竹槍

何処でどう間違ったのか、台風がどんどん西に進んで明朝には牛窓の真上を通りそうだ。寧ろこの台風の一つ前のものを警戒していたのに、その台風は急に衰えて中国大陸の方に行ってしまった。ノーマークだったものがいつの間にか発達して、それもはるか東の大…

通り雨

「通り雨かな」余韻を残す言葉だ。久々に聞いたような気がして新鮮だった。ただその言葉を発したのが国際柔道選手権の無差別級に出てもいいような恰幅の「ごく普通の人」だから面白い。職業柄雨は好ましくないらしくて、一瞬にして上がってくれという期待が…