2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

救急車

何時ごろだったか定かではない。でもまだ何処からも明かりが差していなかったから、どちらかと言うと深夜と表現する時間帯だったのだろうか。 救急車のサイレンが、僕の家の前あたりで止まった。牛窓は高齢化が進んでいる町だから、救急車が走っても不思議で…

不幸

コンビニの防犯カメラに写っていた二人の後姿を見て自分と重ねた人は多いのではないか。「あの頃」を持っている人の多くが哀しみを共有できたのではないか。幼いお子さんに喜んでもらおうとお父さんは雪深いほうに入って行ったのだろうかと、おじいさんは言…

脚本

東京への一人旅を躊躇っていた女性とのやり取り。偶然仕事がなくなって全くのフリーの日が出来たのに、東京行きをある体調不良で躊躇っていた。 偶然の出来事で「心置きなく」行って来れますね。これって結構お恵みなのですよ。ヤマト薬局 ありがとうござい…

誘惑

キーン、キーンと何だろう。もう一つの音を旨く表現できない。パソコンに向かっている今、隣の土地を草刈機で刈っていた時の音を思い出せない。キーン、キーンは金属製の歯車が回転するときの音なのだが、草を刈る瞬間の音を表現できない。その音が耳に入っ…

敵対心

今日笠岡ベイファームに行ったのだが、従来とは行く道が違っていたので、車窓の風景が異なっているように見えた。今日のルートだと、如何に干拓地が広大な広さを誇っているかがよく分かった。公園かゴルフ場か横目で見ながらだったから詳しくは分からなかっ…

距離感

もう1度高村薫さんの文章から。 「かつて人は、生身の人間同士が例えば50cmの距離で向き合ったときの居心地の悪さ、摩擦の中で共同体を営んできた。社会はこうした人間同士の摩擦、身体性によって築かれていた。身体性があるからこそ、殴れば相手も自分…

高村薫

僕は高村薫さんの小説を一冊も買って読んだ事がないから彼女にとっては何の役にも立たないファンだ。只、今ファンと言う言葉を使ったように尊敬をしているし、エッセイやインタビューなどは見つけると必ず目を通す。僕ら素人とは段違いの感受性で本質に迫っ…

心残り

僕がまだ若い頃、牛窓と接している街に個人立の総合病院が出来た。ある老舗の商店の息子さんだということで評判だった。ねたみもあったのだろうか当分いい噂は聞かなかった。ところが歳月とともに病院は発展し、逆に悪い話を聞かなくなった。ねたみは同列の…

情報

喜ばせるなよ。タイトルを見たら、僕の将来はバラ色に見えたが、その後を読んだらがっくり。そうは問屋が卸さなかったみたいで、プラスマイナスゼロどころか、マイナスで落ち着いた感がある。タイトルでぬか喜びさせないで。 「成人の身長と死亡リスクの関連…

専門家

「アジサイさんが、水を欲しがっているよ~」と、まるで唄を歌うようにして入ってきた。暑くて入り口のドアを開けていたし、丁度僕は相談机で書き物をしていたからその声がよく聞こえた。声の主はすぐに分かった。僕が幼い頃、お手伝いさんとして住み込みで…

共通項

「今出て行ったのは〇〇さんじゃろう、えらい年をとったなあ!」と感慨深げに言ったのは僕の同級生だ。そして言われたのは僕より1歳年上の男性だ。これだけならよくある話で、何も面白くない。ところが言った方も言われた方もかなりの個性の持ち主だから、…

中学校のテニスコートは3面あるが、今は生徒の数が少ないから3面は必要なく2面だけが使われている。見ているわけではないが、一番西のテニスコートには草が生えていて、生徒達が走り回っている面影はない。他の2面はボールがイレギュラーしないように常…

恩返し

ペットを飼う家が多いせいか、制作費が安上がりにつくせいか知らないが、犬猫を登場させる番組が増えたような気がする。犬のかわいさを知ってしまったから、以前にも増して目が行く。クリとモコの2代に渡って一緒に生活したから30年近く犬と暮らしたこと…

定番

名前は知らないが、なかなかユニークな花だ。薬局の前に作っている庭に去年から咲いている。恐らく、庭造りを依頼した若い女性が植えたのだろうが、何とそれと同じ花を中学校の駐車場で見つけた。まるでイチゴの実が花になったようなものだから、目を引くし…

経験

〇〇チャンへ名前を聞いていなかったような気がしますね。漢方薬も薬ですから飲んだら50分後くらいから体の中で仕事をします。それを1日3回繰り返すことでどんな病気も治していくのです。僕のホームページには完治した人と、頑張り中の人の途中経過の両…

人格破壊

英国・イースト・アングリア大学のKathryn Richardson氏らによる症例対照研究の結果、うつ病、泌尿器系およびパーキンソン病の治療に用いられる抗コリン薬の使用が、将来的な認知症発症と強く関連していることが明らかとなった。この関連は、認知症と診断さ…

母のあの顔は、80歳くらいの頃だと思う。まだふっくらとして優しい顔をしていた。微笑んで僕のほうを見ていた。 直接母の声を聞いたわけではない。誰だったかよく分からなかったが「お母さんが体のことを心配しているよ」と伝えてくれたのだ。ただ誰かが伝…

尻尾

「明日もまた 生きてやるぞと 米を研ぐ」有名な俳人の句ではない。引き取り手のない人が死んだ家を片付ける業者が、散らかった部屋で見つけた冷蔵庫に張られた紙切れだ。家族に遺品を渡そうとしたが、家族はもう縁を切ったと受け取らなかったそうだ。ただ、…

僕にとっては恵みの雨だったのだが、あの人たちにとっては迷惑な雨だっただろう。 朝出かける時間帯に雨が強くなったので、かの国の女性達を笠岡ベイファームにポピーを見に連れて行かなくても良くなった。そのおかげで昼過ぎには岡山で用事を済ませて牛窓に…

可視化

総じて運送会社の人は体格がいい。もっとも僕みたいなひ弱な人間では重い荷物を運ぶことが出来ないから当然といえば当然なのだが。僕の薬局には毎朝漢方問屋から漢方薬が送られてくる。ほとんどお決まりの運送会社だから皆さん顔なじみになる。だからそんな…

幸せ

「まさかの事が起ころうとしています。来月、好きな声優さんの舞台を見るために一人で東京に行こうとしています。 ま、ま、まさか❗です。それも1泊します。・・・・・・・・・・・ずっと、ずっと、家にいた子が 東京に一人で行ってこようとしている。「こん…

目標

昨夜、ためして合点と言う番組で、痛みの病気を克服するのに短期間の目標と、長い目での目標を持つといいと言っていた。それを見ていた妻が「おとうさんのことじゃが」と言った。僕もその番組を見ながら同じことを思ったからまんざらでもない。僕も首と腰の…

情報

3年間の日本滞在中に帰国できる唯一の理由は「親の死」だ。それ以外に自由に帰国は出来ない。もっとも、1時間でも多く働きたい彼女達にそんな希望は全くないから、不満はない。今日その特例で帰国していたある女性が再び日本に帰ってきた。今年に入ってか…

崇高

「いくら頑張っても東大に入れない」。が、これは諦めがつく。与えられた才能が大きく不足しているだけでほとんどの人が条件的には同じだ。ただ、これが「人と食事が出来ない」となるとどうだろう。あらたまった席、あらたまった相手でも、ほとんどの人は食…

再現

道路の反対側からだからはっきりとは分からなかったが、大きな麦藁帽をタオルで頬被りした上から被り、長靴で茶色のズボン姿でしゃがみ込んでなにやら農作業らしきことをやっている。白いTシャツと茶色のズボンのコントラストが野暮ったく見える。もっとも…

素養

9時間電車に揺られながら訪ねてくれた女性がいる。僕なら新幹線を使うが、高いという理由で頑張って会いにきてくれた。 今だったら当然会社に受け入れてもらえるような些細な要求をしたばかりに、即刻帰国を強いられたのはもう10年近く前だ。その女性が帰…

貢献

今日ある女性が久しぶりにやってきた。と言っても月に一度や二度は電話で話をしているから、実際に会っていないだけで消息はすこぶる知っている。今日あることで今まで疑問に思っていたことが解決した。 数年前に東京から牛窓に引っ越してきて、僕の薬局の近…

満足感

昨日に引き続き、正解3まであった。予期せぬことでこれ以上の正解はない。3日に訪ねるのをやめて今日訪れたのが大正解だった。 香川県内から集まった24団体の獅子舞が歩行者天国で同時に舞うのだから壮観だ。別々にやってくれたら一つずつをつぶさに見れ…

喉元

昨年の今日、結構怖い目をしたから、喉元過ぎても熱さは、そのまま残っている。 丸亀城の天守閣辺りに立っているとやたら風が強いことに気がついた。海のほうに目をやれば同じくらいの高さに瀬戸大橋が見える。陸でこれくらい吹いていれば海の上はもっとすご…

封書

今日NTTから封書が届いた。別に珍しいことではないか。でも封を開けて目を通すと珍しい内容だった。 何故なら、NTTから書類が来ると普通は請求書だと思うが、なんと今日の内容は全く逆で、お金をくれるというものだった。確かにこれは珍しく滅多にない…