三種の神器

 庶民の町牛窓で、大金持ちに遭遇することは滅多にないが、本当に時々、見るからにそのような人に会う時がある。
 見るからにそのように見える人は、見るからにではなく、正にその種の人の場合がほとんどで、本来僕は苦手だ。
 今日昼過ぎに入ってこられた夫婦もまさに三種の神器を備えていた。神戸 外車 あでやかな服装。ついでに必須ではないが香水の香りもした。
 相談内容は昨夜の食事で食あたりして今でもムカムカが止まらないというものだった。食べたものを尋ねたら、あたっても良さそうなものだったが、僕にはピンと来なかった。そこで体調を尋ねて「あたったんじゃないわ、疲れとんじゃあろう」の一言ですませた。するとやはり腑に落ちていなかった奥さんが、同意してくれた。同じ夕食を食べているから食あたりを訴えるご主人を疑っていたのだろう。
 要はまだ胃の中にありそうでムカムカするのを治してあげればいいのだから、ヤマト薬局で作っている消化剤1号と言う薬局製剤を飲んでもらうことにした。
 食あたりでないことをが分かって気分が楽になったのか、色々な質問を受けた。それに答えているとご主人の方が「先生凄いですね。博士みたいですね!」とおべんちゃらを言ってくれた。知識がないことは僕が一番分かっているから、いくら他所の人でも「はいそうです」とは言えない。そこで僕は「はい、バカセデス」と答えた。ご主人がえらい受けてくれたが、僕の洒落が分かったのだろう。どう見ても日本人には見えなかったが、日本語ペラペラで、僕の高尚な洒落も分かったのだろう。
 苦手な階級の人の中にも、このように愛想がいい人もいるんだと、短かったが楽しい時間だった。
 教訓① 大金持ちでも謙虚な人はいる 教訓② 10万円の薬でも買いそうな人を1100円で治せられるなら1100円で治す。教訓③ 三種の神器でも媚びずに牛窓弁で通す。

 


「今日もずっと大谷さん」劇作家・演出家の鴻上尚史さん、「テレビはゆっくりと自殺している」とテレビのあり方に私見
 劇作家・演出家の鴻上尚史さん(65)が25日、X(旧ツイッター)を更新。選挙での低投票率とテレビのあり方について私見をつづった。
「選挙が終わると、テレビは『投票率が低い』『30%台なんて信じられない』なんていうのだけれど、今日もずっとテレビのワイドショーは、大谷さんを特集している」と、米ドジャース大谷翔平選手(29)の活躍を大きく扱う一方で、政治にまつわる報道が少ない現況を記した。
「それで、視聴者に『政治への関心が薄い』とか『社会参加の意識がない』とか、選挙後に言っても、それは当たり前だろうと思う」と続けた鴻上さん。「この状態が嫌な人はテレビから着実に離れていく。テレビは、ゆっくりと自殺していると思う」と強い表現で、テレビのあり方に疑問を呈した。
 フォロワーらからは「本当です 朝から晩まで大谷大谷大谷」「メディアが本来の仕事を放棄してるんですよね」「政治を取り上げて国民に是非を問わないメディアの質も国民の質も下がっていくばかり」「視聴率をあまり気にしなくてもいいはずのNHKですら、国会中継を途中で打ち切るなどのことをやる」などのコメントが寄せられた。