和太鼓のコンサートが、天守閣を見上げる広場で毎年行われる。去年珍しく中止になったので今年もないと勝手に決めていたのだが、未練たらたらでホームページを見ていたら、午後３時過ぎからコンサートが行われることを見つけた。
いてもたってもおれず正午前に出発した。いつもならベトナム人を連れて車で行くのだが、今日は一人なので、電車を乗り継いでいくことにした。安全を優先しての判断だったのだが、経済的な事にも気が付いた。片道１３９０円。時間は２時間と少し。途中２回も乗り換えるから退屈はしない。持参した薬の情報誌はすぐに読んでしまったので、車窓の移り行く町並みなどを眺めていた。名前だけは聞いて知っていた町が、具体的に理解できる。思わぬ町が発展していたリ、思わぬ町に、よく整備された田んぼが広がったりしていた。景色だけではなく、乗客や、祭りに集う人たちの人間観察も出来た。
６月に行われる「さぬきの鼓響」と言う和太鼓のコンサートに出る、僕のひいきの「善通寺龍神太鼓」「大野原竜王太鼓」「「和太鼓集団響屋」が演奏してくれた。６月の予告編みたいな形になったが、演者の上に緑の木立、遥かその上に天守閣、そして青空。まるで絵のような景色だったから、時計代わりに持って行っていたガラケーを開いて写真に収めようとしたが、どうしたら写真機になるのか分からなかったから諦めた。誰かがそうした構図できっと写真に収めているから、インターネットで探せばいいやと、負け惜しみ。
往復４時間、丸亀で３時間立ちっぱなし。今日の収穫は、避けがたい気力体力の消失スピードを落とさせたこともある。
国民の半分がするというゴールデンウイーク中の旅行だが、これで僕もその半分に入れたかな。ただし今日の僕の行動は冷静に言葉を選べば、旅行ではなく移動だろう。
