讃岐まんのう太鼓

 和太鼓・法螺貝奏者の野中耀博のコンサートに2度香川県へ出かけた。その正確で力強い演奏に感銘を受けたものだが、その時の共演者が讃岐まんのう太鼓のメンバーであることをその時に知った。野中を盛り上げる役回りなのだろうが、僕には同列に見えた。素人目には何ら遜色のない打ち手だと僕には思えた。
 僕は時間を持て余すと「香川県 和太鼓 コンサート」と入力してインターネットで検索をする。当然、何年も前から讃岐まんのう太鼓と言う和太鼓集団があることは、それで知っていたが、独自でコンサートをしている所には遭遇しなかった。ところが先月いつものように検索していると、初めて讃岐まんのう太鼓独自のコンサートが開かれるのを知った。今年中に和太鼓コンサートをもう一度見られるのが嬉しくてさっそくチケットを手配した。
 僕が香川県とわざわざ入れるのは、香川県の和太鼓の水準が、多くの団で高いことと、あわよくばフェリーを利用して聴きに行けること、そしてどの街も人で溢れていないことだ。
 今日の会場の満濃町は、さすがにフェリーは利用できないが、会場のすぐそばが金刀比羅宮だ。観光と和太鼓の二つをこなすことが出来るから、ベトナム人に喜んでもらうにはうってつけだ。案の定、帰路車の中で、何度も覚えたての「凄い」と僕への感謝を連発していた。来日してまだ2か月の4人だから、空気をも震わせる演奏は衝撃だったのだろう。
 さて、讃岐まんのう太鼓についての印象だが、団員が意外と多い。とくに次世代を受け継ぐ子供太鼓のメンバーが多い。そして上手だ。幼いから見逃がしてと言う立ち位置を利用していない。子供太鼓でも仕上げている。聞いていて心地よい。特に子供と大人の中間に位置する子たちの実力で、団の実力がうかがわれる。
 大人の団員の実力は、恐らく素人チームとしては極められているのではないか。あの筋肉を見たら、どれだけ鍛えられているか分かる。ただ希望として、もっとソロ演奏を曲の中に組み込んでほしかった。1曲だけ個人技を次から次にバトンするのはあったが、もっと一人一人に長く時間をとったソロ演奏を見たかった。和太鼓コンサートおたくの僕なんかが、いやいや他の人たちも盛り上がるのは長めのソロ演奏だから。
 何を部外者がと思われるかもしれないが、あれだけ上手なメンバーがそろっているのなら、スターを作ってもいいかもしれない。野中耀博さんがそれにあたるのかもしれないが、讃岐まんのう太鼓の中にも、いたほうがいいような気がする。
 もう一つついでに感じたこと。先進的な試みだったのか、以前からその曲はそうしているのかわからないが、「長安への路」と言う曲でシンゼサイザー?が、用いられていた。僕にはそれが入ったばっかりに「森の中で聞こえる太鼓の音」が「都会の雑踏の中で聞く音」に聞こえた。せっかくの大太鼓の音が、シンセサイザーに負けていた。まるで大太鼓をバックにシンセサイザーがメロディーを奏でているようだった。
 なにわともあれ、師走の一日を大好きな和太鼓の演奏と、金毘羅参りで過ごすことが出来た。僕にとっては「なによりも」の時間だ。

 

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