千回の四季

 昨日の備中温羅太鼓の和太鼓フェスタでは二つの収穫があった。
 僕の和太鼓おたくは、備中温羅太鼓を偶然街中で聴いたことから始まり今に至っているが、全国的な傾向だと思うが地方での団体競技などは、人口減の影響をもろに受けて、衰退の運命をたどりやすい。文化活動もスポーツや、公共の交通機関などと同じ運命をたどっている。
 備中温羅太鼓を代表する曲目は、「温羅」で、鬼の面と神官の面をかぶった者同士の戦いを、太鼓の打ち方や拍子で表現している。激しく陣取り合戦を繰り広げる。昨日も当然その曲をトリに使ったが、10数年、その曲を聴いてきたが初めての光景を目にした。
 と言うのは、最初は神官たちが劣勢に立たされるのだが、途中で形勢が逆転して、最終的には鬼がやられる。丁度その場面、鬼が神官に刀を背中に刺され倒れる時に、聴衆から大きな拍手が沸き起こったのだ。僕はそのような光景は半世紀、いや60年以上前の映画館でしか見たことがなかったので、本当に驚いた。どれだけ現在を生きている人達が正義に飢えているのだろうと考えた。日本も世界も、権力者が序民の命をまるで知らずに踏んでしまう虫たちの命のように意にも留めない姿を見ていると、束の間の正義に拍手を送りたくもなるのだろう。大衆の秘めた疑似体験ではないだろうかと思えた。昨日の演奏は久々のフルバージョンだったから、余計訴えるものがあったのだろうか。
 これはあくまで前置きで、実際は2曲目に演奏された「千回の四季」と言う恐らく新曲の衝撃。温羅の舞台上で、太鼓をたたく人たちが年々減ることを寂しく思っていたが、昨日の新曲では、今いる人たちで作り上げた曲の完成度と技術力の高さを証明してくれた。聴いている途中で武者震いが起こったくらいだ。最近、県内の他チームに追いつかれ感がかなりあったから「さすが温羅太鼓」と喜びの武者震いだった。またあの曲を聴きたい。
 収穫の2は、ゲスト出演の「山田純平×熱響打楽」の演奏。それはそれは上手で、10年くらい前に聴いたことがあるが、比べ物にならないくらいの上達ぶりで、これ以上何が出来るのだろうと、想像がつかないくらいだった。スポーツなら勝敗をつけたり順位をつけたりするのは簡単だが、例えば和太鼓のどこを持って、日本一などと決められるだろう。
 もう限界まで完成された演奏だと思いながら聴いていると、僕だけでなく、多くの人達が歓声を上げ始めた。まるで黙って聴いてなんかおれないとばかりに。普段おとなしい人でも、あの演奏に何かで応え様としたに違いない。
 昨日の舞台挨拶で初めて知ったのだが、備中温羅太鼓が出来たのは、僕が岡山に帰って数年後。当時は県内のことでも情報はなかなか手に入れられなくて、多くの方と同じように、ただひたすら職業にまい進していた。今のように多くの情報を集めることが出来る時代だったら、僕もバチを握っていたかもしれない。聴き手もいいが、打ち手はもっといいだろうから。

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