和洋折衷

 こんなことを言うと顰蹙を買いそうだが、幕が空く前に流れていた曲と、休憩時間中に流れていた曲に今日最も感動した。
 勿論、備中温羅太鼓も水島灘源平太鼓の両方とも、かなりの水準だから満足の行くコンサートだったが、予期せぬ音楽に耳を奪われ、人々の話し声を何とかフィルターで漉して音楽に集中したが、つぎはぎのように聞こえる音楽でも心を揺すぶられた。
 恐らくそれはブルースだったろう。最初はジャズがBGMで流れているのかと思った。ところが何となくリズムが違う。そして途中で気がついた。ブルースがかかっていると。とても面白い選曲に思えた。コンサートが「和太鼓の響き」と言うタイトルなのに、流れているのがブルースとは。何かの意図があったのだろう。ただの怠慢とは思えない。休憩時間中に2度目のブルースが流れた。幕が空く前よりよく聞こえた。正にブルースだ。そしてこれが有り難いことに何とBBキングのブルースだった。本当に久しぶりに聴いた。僕が中心で薬局をやっていた頃はCDでよくBBキングをかけていた。今は娘夫婦がほとんどやっているから、ブルースをかけることはご法度になっているが、僕が中心のときは僕の心地よさを全てに優先していたから、BBキングは欠かせなかった。
 少し和太鼓評論家的なことを述べておく。水島灘源平太鼓は太鼓打ちが若い。20代ではないか。体力もあるし腕は伸び盛りで、備中温羅太鼓を着実に追いかけている。ひょっとしたらもうすぐ追いつくかもしれない。逆に備中温羅太鼓の方は、団員が減ったのか以前のように迫力がなくなった。岡山県では圧倒的に君臨し続けていたが、いずれは取って代わられるだろう。
 今日は和洋折衷の日。