下水道

 パリのイダルゴ市長は27日、X(旧ツイッター)を退会する意向をX上で表明した。「偽情報や組織的な嫌がらせ」がまん延しており、「(Xは)巨大な世界の下水道と化した」と痛烈に非難した。イダルゴ氏はXについて「事実かどうかにかかわらず、『いいね』の数だけが重視される」と主張。「当初は多くの人が情報を得られる画期的ツールだったが、今や民主主義の大量破壊兵器となった」とこき下ろした。
 僕はこのツイッターなるものを見たこともないくらいだから使ったこともない。この「いいね」と言うものの実際を知らないが、以前から何だか子供じみているように思えていた。皆さんこのいいねが欲しくて頑張っているようなことを聞いたことがあるが、ラジオ体操に行ってハンコを押してもらっていたようなことを連想する。
 インターネットが出来てから、誰でもが文筆家になれるし、俳優にも監督にもなれるし、スポーツ選手にも歌手にもなれる。評論家になったりもできる。素人が完成度を無視すれば何でも出来るわけだ。単なる凡人が表現の機会を得ると、こんなに弾けるんだと驚く。誰もが何かしらで他者からの評価を得たかったんだ。
 そうしてみると、昔の人はよく耐えていたと思う。余程主張したいものがあり文章が上手くないと文筆家になろうなんて思わなかったし、よほど美男美女かあるいは個性的な顔をしていない限り映画界には入らなかったし、よほど歌が好きか旨いかルックスに自信がないと歌手にはならなかったし、よほど肉体的に恵まれていないとスポーツ選手にはならなかったし、よほど権力の暴走に怒りを覚えない限り評論家にはならなかった。
 パリの市長の言うように、巨大な下水道の部分も否定できないが、巨大な上水道の部分はもっと否定できない。僕がいまだ手にしていないスマホを、アフリカやアジアの後進国の人達が普通に持っている。それが最も安価に世界を知る道具になっている。貧困と言う名で閉じ込められていた地域から世界を見ることが出来る。

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