老いる事とは

 同じニュースの中で、2つの衝撃的な健康に関する話題が取り上げられていた。沢山の方が見ているのではないかと思う。僕は職業的にずっと以前から知っていることだが、NHKで大きく取り上げられた意義は大きい。  1つは、メタボリックシンドロームが、男性で5割女性でも2割近くが圏内にいるらしい。へそ周りサイズが男性で85cm、女性で90cm以上が前提で、後は高血圧、高脂血症、糖尿の2種類以上を持っている人だ。  2つ目は若年性認知症が十万人の規模で国内に存在していて、未だ増えているらしい。 この2つは決して独立した症状ではないと思う。経済的な豊さがもたらしたとんでもない弊害だと思う。経済的に豊になれば、身体を使うことは避ける。移動もほとんど車に頼る。肉を始め甘さもきわまったケーキを食べ、糖質豊な飲み物を飲み、不愉快なことはあまり考えない。なるべく楽しいことに時間を消費し、苦労は出来るだけ避けて生きる。  老いる事とは排泄能力が落ちて、かすを身体に貯めることだ。エネルギーに転換できずに、血の中にコレステロールを始め多くの老廃物を貯めることだ。結果上記メタボリックシンドロームの基準などいとも簡単に満たしてしまう。 砂糖しか栄養源にしない脳だって同じことだ。血流が悪くなれば、老廃物はたまるし、本来頭を使わなくなった現代人は、脳の機能を鍛えることも放棄している。  人間は本来的には飢餓に対処するように出来ている。いつ飢えても生きていけるように貯める能力を備わっている。逆に豊であった歴史などないから、本来的には浪費するようには出来ていない。  ファミリーレストランやコンビニから廃棄される食べ残しの数々。豊さの象徴は、発展途上国の子供達の一人さへ救えないし、そのそぶりさえ見せない。傲慢はいずれしっぺ返しを食う。いやいやその壮大なしっぺ返しはもう始まっている。