原稿

 来週の月曜日に漢方の講演をするために、ちょっと真面目に原稿を書いた。原稿通りにやったことはないのだが、今回はチョットだけ知的にやってみようかと思っている。  人を、およそ8種類に分類して、各々のグループの性格や病気になりやすさなどを特徴としてまとめたいと思っている。その中の1つのタイプを紹介する。これを1時間半の間で8種類紹介しようと思っているのだが、時間が足らなくなるような予感はしている。  生まれながらに虚弱体質で一生病気勝ちに過ごしている人は意外と多い。僕の薬局にも沢山いて、長いお付き合いになるから結構親しくなるタイプだ。見るからに精気に乏しく耳が小さい。何か始めても最初だけで長続きせず何も完成させない。意志が弱くてすぐ自説を曲げてしまい、ひどくなると恐怖心が強くなり何をやってもおどおどとした態度になる。精力がなく足腰が冷え、食欲もなくすぐ下痢をする。太っている人は汗をよくかき、暑がりで寒がりだからたちがわるい。めまい、息切れ、動悸がしていつも異常を訴える。低血圧やメニエル、神経痛や神経麻痺、腸カタル、心臓病、腎臓病になりやすい。  極めつけは、このタイプの人達は食べたからと言って元気になるわけでなく、運動して体力がつくこともない。こんなことを言うとお先真っ暗のように思えるかもしれないが、このタイプの人達はひたすら長生きなのだ。ビヤビヤ言いながらもひたすら生きる。  こうしてみると、読者の周りにもいるだろう。僕が書いたとおりの人が。後の7種類のタイプも、面白いくらい具体的な人を想像できる。統計的に話すだけでも具体的な顔を想像できないだろうか。人間なんてそんなに変わった人はいないということだ。蛇足だが、この手の人にはこの手の処方があるのだ。漢方薬のすごいところだ。