風物詩

 今日、僕は熱心な伊勢神宮。学生で牛窓を離れていた10年間以外欠かさずお神楽を迎え入れている。それもかなり熱心に。夏の自身の風物詩と幼き日の想い出を呼び起こすものが一体何か実は知らなくて、先ほど伊勢神宮のホームページを開いてみて初めて明確になった。「伊勢太神楽の信仰の旅。伊勢神宮に お参りにいけない人のために獅子舞が諸国を回り魔除けの旅をする伊勢太神楽(いせだい かぐら)」と説明されていて、なるほどなと思った。幼いときは大道芸、失意のうちに牛窓に帰り親の薬局で仕事を始めた頃は、商売繁盛の神様、その後子供達を育てる頃からは、子供達の守護をお願いし今にいたり、今日は老いた母の健やかな日々もお願いした。妻はモコを抱いていたから、この数日時に嘔吐するモコの健康もお願いしていたに違いない。娘夫婦もカメラ片手に興味深く見ていたからそれぞれの思いでいただろう。写真や動画に撮っていたから出来れば皆さんに見て欲しいと思っている。と言ってもそんな器用なことは僕には出来ないから、それが出来そうな漢方の問屋さんの専務が来たときに頼んでみる。拙い僕の言葉による解説よりも数百倍理解が得られると思うので。  今日しっかりお願いしたからこれで安心だ。魔除けの舞をしてもらったのだから悪魔はこれで我が家には近づかないだろう。最悪の悪魔が空から日本中に降っているが、どうぞ我が家だけは避けて欲しいと思う。どの家庭も我が家だけはと祈れば家族を守ることが出来る。下手な人情、下手な勇気を持たずにひたすら誰もが我が身を守ればいいのだ。何十年営々と繰り返さなければならない余分な作業を抱え込んでしまったのだから、八百万の神の力を一杯借りて乗り越えなければ。  此処彼処に出没する生き神様より、日焼けして炎天下、笛を吹き鼓を打ち獅子を舞う社中一行の方がはるかに神様につかえ人のように見える。