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今日、義母の葬式に教会に行ってきました。お昼の数時間薬局を留守にしたので、何 人かの折角訪ねてきて下さった方に会えませんでした。そのうち数人は是非会いた かった人です。娘が分かる範囲で調剤したみたいですが、薬のことよりお会いして様 子を是非うかがいたい人が含まれていました。残念です。何人かは薬を持って帰られ たけれど、何人かは叉遠路来てくださるそうです。  十分長生きされたので喪失感はありませんでした。家族も良くお世話をされたから 皆さん満足されているでしょう。悲しみの涙を僕は用意していませんでした。悲しむ 理由がなかったからです。キリスト教は永遠の命を頂くのですから、悲しむ必要もあ りません。ところが、聖歌隊の有志の方が聖歌を歌い始めた時に堰を切ったように涙 が出てきました。それは義母の死を悲しんでのことではありません。透き通るような 声で歌ってくれているグループや式次第をになってくれている人達が全員ボランティ アで、その人たちの心が一瞬にして僕の胸をうったからです。小学生の時か中学生の 時か忘れましたが、教科書でおそらく習った歌が聖歌集のなかにあり歌われたことに も驚きました。 やすらかな眠りをお祈りしました。でも、棺の中でちゃんと安らかに眠っていまし た。懸命に6人の子供を育てた人です。安らかに眠ること以外に有り得るでしょう か。なかなか出来る事ではありません。一生懸命働き、一生懸命育て、ただそれだけ なのです。普通の人の普通の生き方。でもその普通がなかなか出来ないのです。  季節は秋に足を踏み入れました。でもあなたの人生はまさに夏に入ったところで す。思いを行動に移し、実現する季節です。未熟なままで許される季節です。完成し ないで下さい。止まらないで。失うことを恐れないで。まだなにも持っていないのだ から。失うものがなにもない、本当の自由を大切にして下さい。 栄町ヤマト薬局