僕の薬局も牛窓町の中では中心部に属するが、それでも後ろに山があるからイノシシが出ても不思議ではない。ただ、ガソリンスタンドの位置は、山からも少し離れている。そこでも目撃されたみたいだから、もう牛窓町もお終いだ。
最近は、薬局に来る人達からイノシシの話がよく出る。今日その話題で盛り上がったのは、陶芸家の方。職業柄山の中に窯を構えているから、もう何年も前からその恐怖を体験している。そして情報も僕らより濃い。
今日彼が教えてくれた中でセンセーショナルだったのは、以下のような内容。
イノシシが人間を襲う場合、太ももを狙うらしい。噛むのか突くのかそこは聞きそびれたが、動脈を破壊し、大量に出血させるらしい。そこをやられると１０分くらいしか持たないと言うから、救急車でうまく運ばれても危ういものだ。
その話を聞いて怖くない人はいないだろう。彼もわざわざ隣り町の運動公園までウォーキングに出かけるそうだ。
僕も最近はかなり気を付けている。日が暮れてからは基本的には外を歩かない。近くでも車を利用する。そのことを娘に話すと、結構山の中のに住んでいるのに意外とおおらかで、「野生動物はむやみに襲ってはこない。だからこちらから大きな声や音をわざと出している。この前も朝の散歩で遭遇したから、前を通ってごめんねと言いながら通り抜けた」と教えてくれた。するとイノシシは藪の中に消えていったそうだ。
敵意がないと分かってくれたのだろうとつい擬人化して考えてしまいそうだが、この擬人化こそが間違っているかもしれない。そもそも彼らは人間みたいに悪意がないのだから。擬人化など失礼だ。
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