橋渡し

 コロナ後遺症でお世話をしてきた高校生。途中から寧ろ後遺症の段階は過ぎて起立性調節障害ではないかと感じはじめ、秋からはそのための処方に変えた。
高校生は、出席授業時間の最低ラインがあるから、医師の診断書が必要だ。お母さまは薬と言うよりその診断書目当てで受診している。そこのお医者さん(主治医)が、コロナ後遺症外来のある大学病院を紹介してくださって、先日受診した。
 そこでの診断がなんと、コロナ後遺症から起立性調節障害を併発したのでしょうねと言うものだった。そして処方されたのが現代薬の昇圧剤。これは僕にとって最高のプレゼントで、処方変更した裏付けを貰ったことになる。
 お母さまはこうした漢方薬を現在飲んでいると、僕が作っている漢方薬と、主治医の漢方薬を報告したらしいが、僕の漢方薬を全く否定せずに、主治医の処方してくれている漢方薬を飲んだらいいと言って下さったそうだ。
 僕が漢方薬の勉強を始めた頃ならあり得ない対応だ。当時漢方薬は、お医者さんにとっては、紛いものだった。そんなものを売る薬局はまるでいかがわしく見えたに違いない。僕ら世代より上の薬剤師の方々は、もっと冷淡な視線を送られていたと思う。その先輩方の努力のおかげで漢方薬が生き残り、今やっと、日の目を見ている。
 むしろ今は、全国の医師の80%以上が漢方薬を処方したことがあると言う時代だから、そして町の薬局がほとんど調剤薬局に転じたせいで、漢方の中心はお医者さんに移っている。
 いわば僕ら世代は、漢方を懸命に生き永らえさせた世代と、お医者さんが中心的な役割を果たす時代の橋渡し世代と言うことになる。
 落ちこぼれ同然の薬剤師が、自分の存在を初めて肯定できた漢方薬と出会い、田舎の人達の役に少しばかり立てれるようになり、薬剤師がこんなに面白いのかと思いながら最終章まで来ることが出来た。
 唯一の先生を、真似て真似て真似抜いてここまで来たが、ふと処方に迷った時に答えてくれる先生はもういない。ふと電話に手を伸ばしても、ダイヤルは回せない。

三浦瑠麗の夫「キズもの」転売ビジネスとは?妻・瑠麗を成長戦略会議に入れた菅前首相の責任は極めて重大。検察のターゲットも菅氏か?元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊 - YouTube