健康法

 今朝の毎日新聞朝刊に千葉大予防医学センター教授の近藤先生と言う方が寄稿されていた。興味深い指摘がなされていたので、ヤマト薬局を利用してくださる人と、これを共有しない手はない。  僕たちがなんら疑念を持たずに信用している医学的な常識がある。その中の3つ「お酒はほどほどに」「歩くことは健康によいので歩きましょう」「塩分は控えめに」を先生は上げられていて、これらが「病気のない一般集団に対しては、ほとんど効果が無いことがわかった」そうだ。理由のひとつは、努力や我慢は長続きしないからだそうだ。なるほど言い当てている。何々はいけないとか、何々しなさいというのは効果が無いのだ。健康以外でも当てはまることが多いのではないか。  例えば、大酒を飲む人が多い地域は飲み屋が多いそうだ。また安くて買える自動販売機も多いそうだ。金がある人は飲み屋で、ない人は自販機でと、懐具合にかかわらず飲める環境が整っているらしい。  歩くことに関しては、不便な田舎の人間は車を多く利用するから都市部の人ほど歩かない。都市部の人は公共機関を利用するから歩く距離が自ずと増える。また公園や遊歩道や自転車道なども整備されていて安全に歩くことができる。  塩については衝撃的な事実を教えていただいた。日本人が摂っている食塩の内、家庭で加える塩の量は2割未満で調味料や加工食品から摂っている方がはるかに多いそうだ。だから食品メーカーの協力なしに減塩は難しいのだ。  こうしてみると先生は「原因の原因の影響を考えなければならない」と指摘されている。個人がさほど努力や我慢をしなくても健康になれる社会や地域の環境を作らなければならないと指摘されている。個人の責任に物事を押し付けていくと、原因の原因がいつまでもなおざりにされ、解決は出来ないそうだ。  健康を作っているのは日々の節制や努力ではないことがわかった。辛いものを肴に、じっと座ったまま酒を飲む。健康な人には最高の健康法だろうか。