裏表

 平日は勉強、休日は介護施設とホテルのアルバイトの掛け持ち。若いから出来るのだろう。そんな2人だから一緒に暮らしていても行動を共にすることは滅多にない。この日曜日久しぶりに一緒に出かけた。  妻は僕らより30分早くたって、かの国の女性2人と、この国の女性1人を途中で拾って教会に行った。僕は30分遅れで同居している2人を乗せて教会に向かった。道中とりとめもないことを話しながら運転していたのだが、途中で、何があったのと尋ねたくなる位の真剣な質問が飛んできた。  「お父さんは、何が大切ですか?」本来なら「〇〇ちゃんと〇〇さん」と返すところだが、そういった雰囲気ではなかった。勿論物でない事も伝わってきた。恐らく価値観だと思った。だから「心?」と聞き返した。「そうです」と答えたから、これは一所懸命考えて答えなければならないと思った。10秒?20秒?どのくらい考えさせてもらっただろうか、結局出てきたのが「裏表がないこと」と言う答。僕にとっても正解かどうか分からない。ただ、多くの価値観を持っているとしても、その言葉が上位に来ることは確かだ。自分自身でそうありたいと思うし、人にもそう期待する。裏表が見え見えの人もいるし、旨く演じる人もいるが、どちらも僕は受け入れられない。相手によって、場所によって自分を変えてしまえる人とかかわりたくない。幸運にも僕の薬局にはそうした人は来ないから、仕事中にそうした不快な気持ちになることは滅多にない。むしろ仕事以外のかかわりの中で遭遇することのほうが圧倒的だ。  このところの政治屋や疫人の言動が正にその極地だったから、うっとうしい日々を過ごした。奴らが塀の向こうに収容されなければこのもやもやは晴れないが、検察も所詮同じ穴の狢で疫人だから、庶民は1000円盗んでも塀の中に入れるが、仲間や政治屋は見逃す。この国の美徳や良識をことごとくアホノミクスが破壊した。むくんだ醜い面を塀の向こうに閉じ込めるべきだ。そう言えば海の向こうのカルタも同じようにむくんだ顔をしている。