釣り合い

 丁度1年前に貸したお金を今日返しに来た。1年間も返せなくて、つい数日前「13日に年金が入るから借金返すからな。悪いけど、ちょっといっぱい呑みたいから500円貸して」と言われてお金が返ってくるとは到底思えない。だけど意外や意外今日早い時間に戻しに来た。
 結局僕は今まで何十回か貸したが踏み倒されたことはない。踏み倒された人が中にはいたのだろう、かつて2度法務省管轄の塀の高い施設に出張した。その間1年ずつくらいこの町から消えたが再び徘徊している。その道で有名になったから、帰ってきてからはなりを潜め人目を避けるように暮らしていたが、今は自転車で俳諧おじさんをしている。
 れいわ新撰組山本太郎が良く演説で言うように、60歳過ぎて貯金ゼロが40%近くいるらしいが、本当にそんなにいるのかと思っていたが、まさに足元にいた。ただし彼の場合は原因が酒と博打だから同情の余地はないが、もし、やむを得ずそうなった方にとっては老後の日々の生活は悲惨なものだろう。一番つらいのは孤立かな。人との接触が減り会話がなくなると、孤独感は想像以上ではないか。お金があれば消費者として出かければそれなりに客として丁重に扱ってくれる。ところが金がなければ出かけることもできない。
 嘘に嘘を重ね、たった500円を得るために自尊心の全てを投げ捨てる。片やサクラを見せるだけで5000万円の公金を横領するものもいる。前者は高い塀の向こう側に入った。後者はどうなる。疫人を自分を守らせるために使った公金横領の数々の前科を重ねるとどれだけの罪があり、どれだけの刑罰を受けなければ釣り合いが取れないだろう。打ち首獄門を2回くらいか?