2009-01-01から1年間の記事一覧

意外

予想も出来ない意外な言葉を聞いた。人の心の中はなかなか見えないものだ。何十年もその逆のことばかり考えてお世話していたのだが。そしてその甲斐あって、結局は一度も病気と言えるようなものを今のところしてもらってはいないのだが。 家が近所と言うこと…

実行力

思わず地図で確認してみた。大きな声で驚きの声を上げてしまったが、何となくきつねにつままれたような感覚は今でもある。 毎月1回、国立病院にかかり、診察を受けたらFAXで処方箋を飛ばしてくる女性がいる。岡山から帰ってくる間に薬を調剤して用意して…

変化

今日はとても嬉しい電話をもらった。有名な野球チームがある都市に住む若い女性からだ。僕はその街に行ったことがないから、そのドームをテレビでしか見たことがないのだが、彼女の電話を受けるたびに、知らない街を想像する。大きな球場から広がる商店街。…

結婚

僕は自分の子供と面と向かって本気で話し合ったことはない。毎日多くの人と話をするから、仕事が終われば無口だったのか、何かを意図的に植え付けるようなことを嫌っていたのか、必要を感じなかったのか、思い出そうにも元々なかった映像は脳裏に浮かばない。…

不満

よその薬局のことは知らないから実際がどのようなものか分からないが、ぼくの薬局は友人同士でくる人が結構いる。遠くの方が多いからか、観光がてらについてくる人が多いのだろうか。病気のことだからプライバシーを守らないといけないが、どのグループも結…

門前払い

光栄だが、僕みたいな現場だけで通用する漢方薬は、他の方、特に東大病院の先生なんかには全く役に立たない。何ら統計的な裏付けがなく、僕の勘と経験だけで飲んでもらっているのだから、応用しようがない。特に病院治療にはかなり高度なデータが求められる…

佐川急便

ひょとしたらこの女性は10年近く我が家へ荷物を運んでくれているのではないかと今更ながら気がついた。日常の景色に全く溶け込んでいるから気がつかなかったが、恐らくそれに近い年数通ってきてくれていると思う。 佐川急便の大きなトラックと同じデザイン…

漁師

岸壁から出航する船に向かって深く頭を下げ続ける家族達。仲間の捜索に母港を出ていく船だろう。悲惨な海難事故の時に見かける光景だ。本当は自分たちが駆けつけたいだろうに、乗るべき船は転覆、あるいは沈没している。僚船に頼まざるを得ない。 瀬戸内海は…

贈呈式

ああ、やっぱり苦手中の苦手だ。行くべきではなかった。 瀬戸内市薬剤師会の支部長から電話があり、今日の昼過ぎに公民館に来てくれと言う。何事かと思いきや、薬剤師会が市内小中学校8校にAEDを寄付するという。その贈呈式をするから来てくれと言うのだ…

加算

このお金はもらえない。もらわないと法律違反か省令違反かになると言うから、誰が何を守っているのか理解できない。患者さんにとっては全くのぼったくりでしかないと思うのだが。こんな悪しき決まりは薬局で行われているように、恐らく医療現場以外でも息を…

電話

「突然の電話でびっくりしました。何かあったんですか?」と妻に言ったそうだが、もっともだ。6年前に過敏性腸症候群の相談のために東京からわざわざやってきて、数日泊まっていったのかな。その後1年近く漢方薬を飲んで治した女性だ。それがこちらから電…

近畿大学ヨット部

黒いジャージに負けないくらい日焼けした若い女性が、何も言わずに薬局に入ってきて物色し始めた。こういう人はほとんどがドラッグストアみたいな所しか経験していないので、そもそも挨拶という概念はない。こちらももう慣れているので、目があった時「こん…

ブラスバンド

買い物をして再びアーケードの下に出てくると大きな音で「千の風にのって」が演奏されていた。見るとすぐ傍で20人編成くらいの黒い服の団員によるブラスバンドが演奏をしていた。指揮者だけがこちらを向いていた。白人男性だった。バンドの横に行き見てみ…

シュレッダー

ある人から、シュレッダーで出来た紙くずをくれないかと頼まれた。薬局には毎日のように製薬会社から情報が入ってくるので紙には困らない。寧ろその処分に困るくらいだ。だから昨年、偶然ある製薬会社からシュレッダーをもらって使わない日はない。僕のお気…

鋭い視線をしているなと思う。その視線の先にはピンポン玉がまるで止まっているかのように見えるのだろうか。テレビで試合の模様を何回か見たことがあるが、クールなイメージで、幼いときから勝負の世界に入っていった子のさがみたいなものを感じる。 いつか…

ロボット

漢方の世界では、ある特徴を持った人達を一つのグループにして処方を決定するのに役立てている。数千年前に出来た処方が未だ通用するのだから、古人の知能と壮大な人体実験に驚く。逆を言えば千年単位などでは人間の知能自体はほとんど進化していないのでは…

危ないところだった。今頃はどこかを腫らせて痛いような痒いような独特の不快さに悩まされながら働いていただろう。 田舎の人ならすぐこの体験は理解してもらえる。実感を持って分かってもらえるだろう。都会の人には逆に想像もつかないのだろうなと思う。田…

訛り

優しい声で話す女性だ。自分では気がついていないのかもしれないが、若干の訛りが心地よい。限られた時間だから一杯話したとは言えないが、満を持したように最後に「私って本当に漏れているのでしょうか」と尋ねた。そう、そんな素朴な疑問を持ってもらえる…

援軍

読みながら、そうだろ、そうだろといちいち納得し、出来ればその記事の全文を無断で紹介したい気持ちだ。薬局で、言葉足らずだが半年間に渡って言い続けていることとさほど違いがなかったから、安心した。だけど僕がいくら声を張り上げても、カウンター越し…

無意味

3車線道路の一番外側を走っていた。元々混雑する道路でもないし、日曜日の昼下がりだから本来ならすいすいと走れるところなのだが、何となくゆっくりとしか進まなかった。そのうち真ん中の車線を走っている車がやけに僕の車の前に入ってきた。僕は車間をか…

おばんです

山形の女性から夜メールが入って「おばんです」と書いてあったから、慌てて当方は「おじんです」と書いて返事をした。 数回メールをやりとりしているが、彼女の文章の中にお嬢さんを表現した言葉が沢山出てくる。「責任感が強く、情深く頑張りや。自慢の娘」…

好奇心

狭い薬局に5人の集団が、それも蛍光の黄色いユニフォームで統一してでんと腰掛けていたら、他の人は入ってくる勇気はないだろう。日生の沖にある鶴島を巡礼で歩いてきて、その後寄ったらしいのだが、地理から判断すれば道なりとは言い難い。わざわざという…

転身

ある中年女性が、煎じ薬を30日分持って帰ると言うから焦って作っていたら、次に入ってきた同年輩の女性と顔見知りらしくおしゃべりに花を咲かせてくれた。次に入ってきた女性も五十肩の漢方薬だから、待ってもらうしかなかったのだが、二人が楽しそうに話…

強者

強者もいるものだ。何年もかの有名なデパスと言う安定剤を1日15錠飲んでいたそうだ。よくそんなに手に入ったねと聞くと、しまいには医者もくれなくなったから、友人に患者になってもらって、騙して手に入れていたそうだ。思えば滑稽なものだ。全く健康な…

シンガーソングライター

笑い声の素敵な君へ さっき、電話で事実と異なったことを言ったので訂正しておきます。僕は浪人して成績がむちゃくちゃ下がったので、子供達には浪人してまで大学に行かなくていいと言っていました。現役で通ったところでいいと言うことです。その通りに子供…

みのなんとか言う男の朝の番組に彼が出ていた。神奈川県知事と数人のコメンテーターも出ていた。テレビで見ていても、彼は相手の言うことをよく聞いていた。夏以前、多くのタレント気取りの議員達は、自分の無能を隠すために強圧的で饒舌だった。知識に裏付…

質問

どうもまだ合点がいかない。日本人と結婚している女性に通訳してもらったから、確かかどうか分からないが、3人のフィリピンの若者も同じような仕草をしていたから、やはりその通りなのだろうか。 以前ベトナムの女性が薬局に日本語の勉強に来ていた頃、彼女…

伴走

完治して去っていった人だからそれはそれでもうすんでいるのだが、何故かずっと心の中でひっかかっていた。どこか気が弱そうで、話していても目を合わすことは余りなかったが、どうしても治りたかったのだろう真面目に岡山市から通ってきた。一日中不安感と…

女子アナ

えっ?えっ?と馬鹿みたいに聞き返さないと正確な内容がつかめない。一桁も二桁も単位が違うのではないかと思うのだが、聡明なお母さんが言うのだから間違いはないし、数日前の話だから確かなのだ。只、今までそう言う接点がある人に接したことがなく、初耳…

修理

都会でも、田舎でも親切な人は多いのだろう。ただ、田舎の生活はのんびりしている分、自分の時間を他者のために使うことも容易だ。本来的な性格の上に少しはそれを許すそのような条件も加わらないと親切も難しい。 と言いながら僕はもっぱら親切を受ける側に…