女子アナ

 えっ?えっ?と馬鹿みたいに聞き返さないと正確な内容がつかめない。一桁も二桁も単位が違うのではないかと思うのだが、聡明なお母さんが言うのだから間違いはないし、数日前の話だから確かなのだ。只、今までそう言う接点がある人に接したことがなく、初耳の内容ばかりだから、ただただ驚いていただけなのだ。 そうしてみると何気なく日常テレビで見ている女性アナウンサーは、余程の才能と美貌を備えている人なのだ。美貌はさすがに分かるが、才能まではテレビのこちらには伝わってこない。持ち合わせてはいるが、生かされていないって言うことか。しょうもない男性タレントの補佐役かお飾り程度のことが多いから、才能をひょっとしたら殺しているのかもしれない。いやいや、もっとうがって考えれば、元々その程度の毒にも薬にもならない、収まりの良い人を選んでいるのかもしれない。  それにしても選考を6次くらい勝ち上がって、7000人のうちの2人が採用されると言うから、ほとんど宝くじ並みだ。なりたいと思って実際に応募した人の数が7000人だから、その前で断念した人の数を入れればあながち宝くじの例えも大げさではない。お嬢さんが通っている大学の先輩が今テレビで活躍しているから、全くの夢ではないように素人から見れば思えていたが、数日前の何次かの試験で落ちたらしい。せっかく○○小町で頑張っていたのに残念だ。  実は僕が残念がるのにはある魂胆があったのだ。お嬢さんが女性アナウンサーになったら、お嬢さんが飲んだ薬草をブレンドして「女子アナ煎」と名前を打って、全国女子アナ志望の合格グッズにして売り出そうと思っていたのだ。残念だがこれは今日お蔵入りになった。でもまだ希望がある。その弟さんがひょっとしたら来年東大の理Ⅲ(医学部)に合格するかもしれない。そうなれば「理Ⅲ煎」を作って受験生に売る。勉強しなくても合格するお茶として。そうすれば僕も働かなくて大儲けできる。かくなる上は、意地でも彼に合格してもらわなければ。そうかもう一つアイデアが浮かんだ。「便乗茶」これもいけそう。