格闘界

 朝のニュースを見ていて妻と同時に声を上げた。それはK-1が自粛要請をけって公演を強行したことではない。年に何度もイベントを開催できるようなものではないから、1度その機会を失うと、下手をしたら倒産を余儀なくされるのかなと、好意的に僕はとらえている。ファンも恐らく格闘技大好き人間だから、そんなにコロナごときで行動を制限されたくない人が多いだろう。
 ところで僕ら夫婦が驚いたのは、インタビューに答えていたお母さんとお嬢さんが「1枚10万円のチケットを2枚買っているから見に来た」と言っているシーンだ。お母さんとお嬢さんと言っても、かなり若くて、ひょっとしたらお嬢さんは中学生かもというレベルだ。僕の勘違いで、ひょっとしたらお嬢さんも成人しているかもしれないが、それにしても1枚のチケットの高さと、それを買う人の財力と、のめりこみようと・・・・思わず声も上がるだろう。
 他者から見たら、どうでもいいようなことでも当の本人にとっては一所懸命ということはよくあり、その多様性で社会はバランスを保っている。何かに偏るととんでもないことに導かれることは歴史も、いやいや歴史を紐解く必要もなく現在進行形で目の当たりで進行している。
 格闘界が見せた心意気が経済だけを理由にしていないことを望む。