アジサイ

 そういえば薬局の中に花を飾ることはめったにない。偶然何かの理由でいただいたのなら飾るだろうが、買ってまで飾るようなことはない。風情を解しないのではなく、恐らく風情に囲まれているから、わざわざ感には至らないのだろう。花はあるべきところにあって、居心地を良くしてくれる。
 ところが一昨日から薬局の入り口に白色のアジサイの切り花が、透明の大きなガラス瓶に生けられている。アジサイは梅雨時期なのに華やかだ。大きさと言い、色と言い、目を引く条件がそろっている。
 どうしてアジサイの花が店頭に飾ってあるのか不思議だったが尋ねてみるほどではなかった。すると昨日、ある方が届けてくれたと教えてくれた。ある方とはもう10年くらい両親が住んでいた古民家に住んでもらっている芸術家ご夫婦のことだ。どうしても牛窓の住人になってもらいたかったので、家賃なしで住んでもらっている。火事さえ起こさなければ自由にしてもらっていいと言う条件だから、器用なのっだろう改装を重ね、作業所やショップに利用してくれている。
 その100年は経っている古民家の裏には庭があり、母が育てていたアジサイが毎年花を咲かせているらしい。僕は偶然見たこともなかったのだが妻が教えてくれた。詩的に表現すれば、母が梅雨時期になれば僕たちの所に会いに来てくれるのだ。芸術家夫婦がまさかそれを意図して持ってきてくれたのではないだろうが、母が育てた木が、ずっと命をつないでいることに感慨深いものがある。
 多くの方が同じような感動に浸る環境がこの国にはあったから、1000年以上も
繰り返されてきた営みだろうが、一瞬でもその当時者になることは想像すらしていなかった。生けられた花を愛でるとは、これもまた齢を重ねてきたおかげ?せい?かもしれない。

 

自民党違法買収事件。安倍晋三派閥の元トップ細田。セクハラだけでは無く公職選挙法の違反まで飛び出した。何故こんなことが起きるのか?安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube