夜露

 夜露。なんてロマンチックな言葉だろう。ただ、早朝焼却機派の僕には、言葉は汚いが実害あるのみ。まことに勝手な感情を沸き上がらせ、時間を2時間ばかり進めたくなる。
 ドッグランの山際に、150坪ほどの荒れ地がまだ残されている。工事中は草一本生えないように業者がしてくれていたが、春になって雨が降り出したら草が一気に勢いづいて、いわゆる草むらになってしまった。ベトナム人たちが、耕して草を根っこから引き抜いて、数か所に集めて山になっている。濃い緑色の草たちは数日で水分が抜け枯草になる。色も茶色に変わる。体積も減り軽くなった枯れ草を焼却機で焼いて灰にしてしまえば、跡形もなくなる。その作業に僕は朝の6時から1時間、夕方6時半から30分を当てているのだが、この朝の部がそれこそ夜露に邪魔されるのだ。せっかく乾いて燃え頃のものが、湿気て火がつかない。新聞紙を枯草の上に入れて火をつけるのだが、燃えるのは新聞紙だけと言う場合が多い。
 良く晴れた日は、焼却機の蓋に水玉が無数にできている。こんなに空気中には水が含まれているのかと驚くばかりだ。
 当然夜露など今に始まったことではないから、目にはしてきただろうが、はっきりと認識し始めたのは、この1か月くらい前からだ。枯草を焼くのが僕の仕事と勝手に決めて早起きしているが、こうした自然現象を意識することが出来て、早起きは三文の得、いや早起きしても草が湿気ては「三文の損」
 従来では、なかった僕の生活様式が、こんなちっぽけな発見をもたらしてくれた。もう少し若ければロマンチックな文章が書けたかもしれないが、夜露よりうどんの汁(つゆ)のほうがよほど似合っているもので。

 

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