昨日、琴を演奏する女性と話をしていて感じたことをもう一つ追加で書く。その女性が言った言葉を受けて僕が話した内容が恐らく普遍性を持っているだろうと思うからだ。過敏性腸症候群でお世話している人は、誰一人脱落することなく治って欲しいから、他の人にも僕の考えを聞いて欲しい。 偶然だがその女性は薬局で働いている。それももう12年、いや8年だったかな、ちょっと正確ではないが、どちらにしても余程薬局の開設者に信頼されているのだと思う。結構渡り歩く人が多いのが調剤薬局の特徴だから、その年月はかなり長い。僕は開設者の立場だから、余程信頼関係が築かれていることは簡単に想像がつく。それに対して彼女は「職員がみんないい人で、人間関係に恵まれているんです」と言った。ところが僕はこれは違うと思って彼女に言った。「周りの人がいい人なのではなく、貴女自身がいい人なんだよ」と。同じようなことを言っているかもしれないが、かなり違う。回りにいい人が多いのは、ひとえに彼女の力だってことが言いたいのだ。もし彼女が、悪意に満ちていたら、そして独善的で猜疑心に満ちていたら、回りにいい人は集まらないのだ。古人が言うように類はしっかりと友を呼び、似たような人しか集まらないのだ。 僕は一目見たときから謙遜で善意に満ちていることが分かった。古風すぎるところもあるが、それは大いなる彼女の魅力でしかない。自ずといい人は集まってくるだろう。求心力を持って磁石のように引きつける人ではないが、いい人を自然に選別できる人格を持っている。  過敏性腸症候群で悩んでいる多くの人が口にする「いい人に恵まれている」のはひとえに、あなたがいい人なのだ。決して卑屈になることなく、回りの人達はあなた自身を写している鏡だと思って欲しい。