長靴

 これは参った。まるで幼子のすることみたいだ。
 嫁の車を拝借するために昼下がり、散歩がてら海辺のマンションまで歩いて行った。鍵は持っているから勝手に乗って来ればいいだけの話だが、僕と違って車をとてもきれいに使う息子に怒られてはいけないのでスニーカーを手に長靴で歩いて行った。
 途中近道をするために中学校のグラウンドを横切るのだが、当然この雨ではぬかるんでいて、そのまま車に乗り込んでしまったら二度と貸してはもらえないだろう。だから履き替えとしてスニーカーを持って行ったのだ。
 運動場はやはり、かなりぬかるんでいて、長靴にかなりの土がついてしまった。丁度運動場の裏門から出たあたりに、水たまりが出来ていたので、長靴を洗うために一番深そうなところに足を踏み入れた。するとその瞬間に水が長靴の中に入って来た。しみて来たのではなく、一瞬のうちに入ってきて靴下も濡れてしまった。
 気が付かなかったが、長靴が破れていたのだ。上からのぞき込んでも破れているところは分からないが、きっとどこかがかなりの範囲で破れているのだろう。さもないと1秒で、しまったと思うほど水は入っては来ないだろうから。
 長靴を買ったのはドッグランが出来てからだからまだそんなには日は経っていない。草刈り機を使うから危険なので、足先が金属で守られているものだ。当初重いと感じたが、蛇やマダニも防ぐことが出来るだろうから結構重宝している。本来雨の日くらいしか出番がないものを、毎日のように使っているから破れて当然かもしれない。
 黄色い傘に、黄色い長靴。そんな可愛い光景ではないが、理由はともあれ、水たまりを避けなかった結末に苦笑い。

西谷文和 路上のラジオ 第174回 前川喜平さん「メディアと野党を立て直す」 - YouTube