植栽

 植栽は高い。
 ドッグランを作るまでは全く関係のない分野だったから、木や花などがどのくらいするのか、もっと言うと、プロにそれらを植えてもらうとどのくらいするのか全く知らなかった。だから請求書を見て毎回「高いなあ」と思っていた。今回も10数本の木と、数か所の花を植えてもらったのだが、恐らく三桁に達していると思う。僕はもうこれ以上出費はしたくなかったし、娘の好みで出来上がりつつあるドッグランだから、娘に経費を負担してもらった。
 今回の植栽も2日間で完成したが、何人かの職人さん、そして設計士さんの報酬があれかとそろばんをはじいてみると、いや現代では計算機で計算してみると、一人当たりにするとべらぼうではない。植えられた木や花にお金を払っているというより、スタッフの労賃だと思えば納得がいった。
 もはやドッグランを越えて公園になりつつあるが、あの木の世話が大変だろう。水やりと言うものが木でも必要なのかどうかわからないが、少なくとも花は必要だろう。ドッグランの何か所にも水道栓を引いていて、もったいないなと思っていたが、最初からこうした計画だったのかもしれない。
 ドッグランにはもったいないくらいになりつつあるから「人間に使って貰って、入場料を取ったら」と娘に言うと、返事がなかった。僕としては真ん中にテーブルを置いて、時間を忘れて本でも読んだら気持ちいいだろうなと思うが、その気はないらしい。
 薬局以外に能がないから、あの素晴らしい空間を生かす知恵はない。いや、能以前に「脳」もない。

西谷文和 路上のラジオ 第169回「万博止めたら、維新も止まる。人・物・金を被災地へ」 - YouTube