荒れ地を耕し、畝を作り、種まで撒いてくれたひまわりを、僕の手で咲かせないわけにはいかない。と言いながら僕にできることは、朝晩水を撒くことだけ。
最初いくつ種をまいたのか調べていないが、数にしたら結構あるように思えた。しかし、今15㎝くらい育ち、ひ弱に立っているのは10本そこそこ。あとの種はどうしたのだろう。等間隔に植えただろうに、芽を出して育っているのは全くアットランダム。土に含まれていた栄養が多かったところのものがやっと育ち、栄養が身近になかったものは芽を出せなかったのだろうか。
ひ弱に立つ未来のひまわりの傍で、圧倒的多数の草たちが、周辺を固め始めた。草1本生えていなかったのに、僕の水やりごとに存在感を増してきて、一雨でどっと勢いを増す。
プロだったらこういった時にどんな手立てを講じるのだろうと思うが、素人の僕は、しゃがみこんで無駄な抵抗をするしかない。
ドッグランの北の山すそに咲くヒマワリが、我先を争って太陽に向かう。そんな光景を夢見ているが、果たしてどうなることやら。生涯で初めて花と言うものに少しだけかかわった。まだ肝心の花が咲くまでは道のりが遠そうだが、世話をする楽しさが、ほんの少し理解できたような気がする。今まで何をやっても「いらぬお世話」ばかりだったので。