隠れ家

 口出しをすると嫌われるから、ほとんど事後報告だけだが、いや事後報告もほとんどないから、ドッグパークの開店についてもほとんどわかっていない。今日尋ねてみたら、来週の土曜日みたいだ。
 当分はドッグランは土曜日と日曜日だけ。クレープは第1日曜日と第3日曜日だけ営業。決して暇でもない薬局の娘がするのだから、さもありなんと思うが、早く専門のスタッフに任せて、世間並みの営業になったらいいのにと思う。
 看板もないし、ほとんど営業もしないのだから、誰が利用するのだろうと思うが、それでもいいのだろう。そもそも僕がそこの土地を買ったのは、イノシシが県道沿いまで出てくる基地みたいになっていたし、見るからに太陽光発電に利用されそうだったからだ。どちらも好ましくないが、農家でない僕が土地を買うには事業をやるのが条件だから、娘が考えた業態だった。
 さすがに僕は半世紀近く、田舎で生活を成り立たせるために懸命に働いたが、娘たちはそうした体験はない。そうした体験から、少なくとも投資した金額は回収したいと思うが、今の計画では、僕が200歳くらいまで働かないと回収できない。
 世のため人の為と思いそれはもうあきらめてはいるが、ドッグランにもひょっとしたら「隠れ家」的なものを目指しているのかと疑いたくなる。今はあまり言われなくなったが嘗て「隠れ家的な」お店がテレビなどでもてはやされていた。僕などそんな贅沢は言えなくて、少しでも目立つように工夫して頑張ってきたが、隠れながら生活の糧を得るなんて余裕だなあと思ってしまう。
 どうやら我が家のドッグランも「隠れ家」的なドッグランを目指しているらしい。しかし、そんなことを目指さなくても、自然とお隠れになりそうだ。隠れすぎて誰にも見つかりそうにない。気がついたら白衣を着た老犬がフェンスの中を朝夕徘徊しているかもしれない。1時間1100円払って。

 

【ノーカット】山本太郎代表は東京都選挙区から出馬へ・れいわ新選組記者会見(2022年5月20日撮影) - YouTube