質問

 はい、大抵の人がその質問から入って来る。車や大学や高等学校などと同じだ。いわゆるブランド志向かな。僕はほとんど興味がないから経験はないが、ひょっとしたら服や時計やハンドバックなどもそうした質問がまず最初に飛び交うのかもしれない。
 「何犬ですか?」と尋ねられたから、「保護犬3匹いるが、何犬かわからん」と答えると、向こうも結局は飼い犬の犬種を言わなかった。当然僕は興味ないから深追いもしない。僕がやってほしいのは、新しくドッグパークの中に作るショップの火災保険の加入手続きだ。
 今日彼がやってきたのは、古民家を壊したという連絡を僕がしたからだ。日割り計算になっているらしくかなりの金額を返してくれる。ただそれでは顧客が1件減るだけだから彼にとっては喜ばしいことではない。そこで計画中のドッグパークの話を持ち出したのだ。新しく契約してもらえることになりそうなので、僕にとって心地よい話をしてくれようとしたのだろうが、相手を間違っている。
 そもそもその手のものにはあまり関心がない。むしろその逆のほうがおもしろい。世間的に価値のないものの輝きこそ、光り輝く。もとからそう言った仕様のものに驚きはない。物から犬猫?その次は人間?レッテルで人を判断するのはお手の物。世間の常套手段だ。だから幸不幸が最近では固定してきている。江戸時代でもあるまいし、現代版士農工商を盲目的に信じさせられ、定着させられている。疑問を持たなくなった時点でそれは完成だが、もうその域に達しているかもしれない。

 

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