至福

 数か月前から、ある皮膚病で漢方薬を取りに来ている方。最初の数回は奥さんと一緒に来ていたが、最近は一人でやって来る。九州弁が抜けきっていないので、尋ねなくても明らかに九州出身だ。隣町の人だが、どんな縁でその町にやってきたのだろうと思う。
 例えば玉野市など、三井造船と言う名の巨大企業があるから、僕より年配の九州出身者が何人かおられる。大きな造船所だから全国どこから働き手が集まっても不思議ではないが、隣町には大きな工場もこれと言ってないから、僕より年配の方がどうしてそこで暮らすようになったか、若干の興味はある。
 少しずつ症状が好転してくれていて、今では雑談を少しばかりして煎じ薬を作る作業に入る。80歳前の男性が、コロナにゲートボールの楽しみを奪われた今何をして時間をつぶしているのか尋ねてみた。すると彼は即座に「パチンコ」と答えた。こうなると元パチンコ狂の僕としては理性を失う。ただし、かつて理性どころか日々の食費さえ失っていた僕だから、最低限のガードはちゃんとしている。
 僕が興味を持ったのは、年金暮らしの人たちがそういったものにどのくらいお金を使えるかってところだ。おそらくまだまだ年金の面では恵まれていた世代だから、若者に言ったら怒られそうなくらい貰っているのだと思うが、彼はパチンコに費やすお金は1万円以内と決めているらしい。毎日パチンコに行けば時には勝つだろうから、1万円に30倍をかけた数字をパチンコ屋さんに寄付しているとは思えないが、それでもかなりのお布施を払っているのだろう。ひょっとしたら、パートの従業人の1か月分の給料くらいは払っているのかもしれない。
 50年前に、100円玉を3つか4つを持って、たばこの煙とボリューム全開の流行歌の中で「心を無にして」台に向かっていた僕たちとはお金のレベルが違う。1万円でどのくらいの時間をつぶすことができるのか尋ねたら3時間くらいと答えた。
 明日はあるけど、その先はない。その男性の世代の多くはそうだろう。僕もすでに同じ領域に達している。足を洗ったその世界に、僕ももうすぐ戻っていくのか。まるで空虚な至福の時間と空間に。

 

  立憲民主党小沢一郎衆院議員が20日、ツイッターに新規投稿。現在の政権について、「善悪の区別もつかない人々が政権を握っているのが今の日本」とツイートした。

 小沢氏は「善悪の区別もつかない人々が政権を握っているのが今の日本。国有地をお友達に格安で譲ったり、制度を変えてまで親友に認可を与えたり、税金で後援会と飲み食いしたり」と「モリ・カケ・桜」問題に言及。「そういう善悪の判断ができないばかりか、総力を挙げて隠蔽してきたのが自民党。それを支持するかどうかはもはや倫理観の問題である」と指摘した。

 小沢氏は別の投稿で「自民党議員達はみんな笑顔でエイエイオーとやっている。『菅氏が辞める、国民は皆忘れてくれる』と笑みがこぼれる。夏の感染爆発。自宅でのコロナ死者は過去最多。サービス業等は事業再開めどすら立たず、炊き出しには行列。その最中の自民党総裁選という政治ショー。国民は自民党と共に笑うだろうか」と投稿した。