祝福

 漢方薬を作るための情報収集だったのだが、面白い情報をいただいた。薬局に9時間半拘束されているが、出かけなくても向こうから情報や知識が入って来る。有難いことだ。
 今日の知識の源は、お子さんがムエタイや空手をやって

https://www.youtube.com/watch?v=_aBU5d3MXTs

いる方。僕は当然初耳だったのだが、恐らく皆さんも聞いたことがないのではないか。格闘技に興味がない人でも役に立つような内容だ。
 ムエタイをやっていたら空手に移行しても、有利だと僕ら素人は考える。ところがムエタイと空手には大きな違いがある。その違いは、ムエタイは直立の姿勢、空手は前傾。確かに若いころ毎週放送されていたキックボクシングは、みんなどちらかと言うと重心が後ろにあったような記憶がある。蹴りが中心だからどうしても体重が後ろにかかるのかもしれない。それに比べて、確かに空手の試合は、前のめりに構えている。顔面を打つことが禁止だそうで、そのために相手の胸やお腹に近い構えをするのかもしれない。
 当然の疑問として、防護を付けてやるのか尋ねてみた。ところがこれは驚いたが防護なしで打ち合っているらしいのだ。そんな危険なことを子供にもさせているのかと思ったら、打たれてもいいように筋肉をやはり鍛えるそうで、その筋肉がインナーマッスルなのだそうだ。僕らは外から見える筋肉を、例えば割れ割れの腹筋などを想像するが、寧ろ表面の筋肉は付き過ぎると、動きが悪くなってほどほどがいいらしい。この発想は微塵もなかった。また防御には呼吸法も大切で、息の仕方やタイミングも訓練するそうだ。
 そして最後に、空手は体重別の試合はなく、無差別だそうだ。
 これらがすべて初耳のことばかり。また知識が増えた。知識が向こうからやって来てくれるとは、本当に有難いことだ。とても格闘技などしそうにない穏やかな表情の少年に、思わずエールを送ったが、エールと言うより祝福に近いような感覚だった。