傲慢

 今、夜の9時半。荷物を送る段ボール箱を取りに駐車場に出たら、冷気が衣服にまとわりついてきた。急いで家の中に戻りズボンを触ってみると、冷たく感じられた。ほんの数十秒外に出ただけなのに。
 今夜季節が大きく進んだ。迎える季節は、大したものでないものに対して過剰に恐怖を抱いて過ごす日々か。あるいはその大したものでないものが大したものに突然変異して、怯えながら過ごす日々か。
 傲慢を戒めるものは次々に現れるのに、見ない、耳を貸さない傲慢にはさらなる戒めが襲い掛かる。鏡のような月に、この星の傲慢は映らない。