お家芸

 安富歩先生が、いつものように面白いことを言っていた。
 コロナ危機の中希望があると言う話だ。それも庶民にとって。いやもっと言うと階層の低い人たちにとって。
 この時期貧乏人はとにかく生き延びろ。ただそれだけでいいのだそうだ。どんな手段を用いても生き延びさえすれば、すごいチャンスが巡ってくると言いうのだ。
 コロナによって、新しい生活習慣が始まる。経済活動も同じだ。今までの常識が破壊され新しいシステムがおのずと出来上がる。その変革期に棚から牡丹餅が落ちてくるそうだ。大金持ちは旧来のシステムが壊れることによって大きな損害を被ることも多いが、何もない貧乏人が失うものはない。ただ命を守ってさえいれば新しいスタート台に平等に立てる。
 しかし、落ちてくる牡丹餅を注視していなければ何の意味もないそうで、注意深く目を凝らして、何が新しい世の中に必要か見つけなければならないと話していた。ボーとしていたらチコちゃんに叱られるってわけだ。貧乏人が這い上がれるめったにないチャンスをコロナがくれたことになる。転んでもただでは起きない金持ちのお家芸を今回ばかりは貧乏人が演じなければ、もうチャンスは、チャンスの顔をしなくなる。