血圧計

 たまにはいいこともある。予期せぬことだったら嬉しさも増幅する。
 昨日水銀の血圧計が手に入った。もちろん水銀の血圧計はもう法律的に作ることができないから中古だ。何年も使っていた水銀計が壊れて泣く泣く手放したのがもう2年前、いや3年になるかな。計四トラックが買えるくらいの値段がしたような記憶があるが、今回のは下取りに出すために廃棄されそうになったものだから片手くらいの値段で手に入った。
 機械を見た途端、嘗て店頭で活躍していた光景がよみがえった。正確さは右に出るものはないと勝手にほれ込んでいたものだから、再びその機械を皆さんに使ってもらえるのはうれしい。この数年はどこにでも売っているおもちゃみたいなので測っていたが、正確さにいまいち信ぴょう性に欠けるので、最近は片づけていた。僕が皆さんに血圧はいくらと聞く始末だ。病院で測っている人が多いからそれを参考にしていた。リアルタイムでないからいい加減なものだ。
 今回その血圧計を世話してくれたのは、漢方薬の会社の専務さんだが、僕の考えや嗜好をよく理解してくれていて、僕が欲しているものを見つけたり紹介してくれることが多い。多くの言葉を交わしているからかもしれないが、人様の知恵や労力を借りてでないと何もできない時代になっているのだとつくづく思う。特に僕みたいな機械音痴には人様の助けは欠かせない。
 血圧がめっぽう高い人、こないかなあ!